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《新型肺炎》20年成長予測、最悪1.32%=国発会(トップニュース)


ニュース その他分野 作成日:2020年3月27日_記事番号:T00089087

《新型肺炎》20年成長予測、最悪1.32%=国発会(トップニュース)

 国家発展委員会(国発会)の陳美伶主任委員は26日、新型コロナウイルス感染症の流行が6月まで続いた場合、台湾の今年通年の域内総生産(GDP)成長率は、政府の経済対策の効果を含まない最悪のシナリオで1.32%となり、2%を大きく下回るとの見方を示した。行政院主計総処の2月12日発表の予測値2.37%、中央銀行(中銀)の3月19日発表の1.92%を下回っており、世界各国・地域で感染拡大が勢いを増す中、個人消費が急速に冷え込み、経済情勢が悪化している状況がうかがえる。27日付経済日報などが報じた。

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 国発会は、新型コロナウイルス感染症流行がGDP成長率を0.66〜1.4ポイント引き下げるとみて、今年通年のGDP成長率を1.32〜2.06%と予測した。▽中国▽米国▽ユーロ圏──など台湾の主要貿易相手の経済成長予測について国際的な予測機関による引き下げに幅があることから、台湾の予測にも幅ができた。

 国発会経済発展処の呉明蕙処長は、3月初め時点の予測では中国に影響が限られていたため、GDP成長率予測値は1.81〜2.11%と、0.61~0.91ポイントの引き下げにとどまると予測していたが、欧米での感染拡大を受けた再評価で引き下げ幅が拡大したと説明した。

 27日午前、米国の感染者は8万2,000人余りと、中国やイタリアを抜き、世界最多となった。

 陳主任委員は、需要と供給、金融市場への影響が深刻で、今後の経済がU字やV字型回復をたどるのか、L字型の軌跡をたどるのか、現時点では見通せないと述べた。

経済対策で1.69%も

 国発会は一方、政府の1,000億台湾元(約3,600億円)規模の経済救済策の効果が十分に発揮された場合、GDP成長率を最悪でも1.69%へと、0.37ポイント押し上げると予測した。また、台湾人の海外旅行に代わる域内旅行での消費、インフラ建設予算執行の強化、中銀による中小企業への2,000億元規模の融資などの効果が出れば、2%を維持できる可能性があるとみている。

 陳主任委員は、政府として2%維持を目指しており、救済・振興策拡大の他に、▽電子商取引(EC)▽映画や音楽などのストリーミング配信▽宅配サービス(フードデリバリーサービスなど)──などデジタル技術を活用した「巣ごもり商機」を中小企業がつかむことが重要との見方を示した。

主要機関、軒並み下方修正

 主計総処は、新型コロナウイルス感染が拡大する前の昨年11月時点で、今年通年のGDP成長率を2.72%と予測していた。主計総処は2月12日、予測値を0.35ポイント下方修正し2.37%とした。

 中銀の3月19日発表の予測値は1.92%で、昨年12月時点の予測値から0.65ポイント下方修正した。

 元大宝華綜合経済研究院の25日発表の予測値は1.5%で、前回予測値から0.7ポイント下方修正した。

/date/2020/03/27/00top_2.jpg陳主任委員は、悲観する権利はなく努力するだけだが、感染拡大に伴い、楽観する材料もなくなると語った(26日=中央社)

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