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《新型肺炎》隔離施設はまるで監獄?英女性が謝罪


ニュース 社会 作成日:2020年3月27日_記事番号:T00089108

《新型肺炎》隔離施設はまるで監獄?英女性が謝罪

 花蓮県内の隔離施設で新型コロナウイルスの感染拡大防止のための14日間の外出制限「居家検疫」措置を受けている英国人女性(28)の母親が、「監獄に入れられているよう」と待遇の劣悪さを訴える記事が26日、英BBCのサイトに掲載された。中央流行疫情指揮中心(中央流行疫情指揮センター)指揮官の陳時中衛生福利部(衛福部)長は同日、不当な扱いはしていないと反論。インターネットユーザーから「高級ステーキが食べられると思ったか」などと非難する声が上がった。

 英国人女性は今月14日に恋人のオーストラリア人男性と共に台湾に到着。18日、欧州27カ国から3月5~14日に入境した者にも居家検疫の措置を取ると発表されたため、隔離措置を受けることとなった。

 母親がBBCに語ったところによると、女性は当初、ホテルで隔離措置を受ける予定だったが、その後、救急車でどこか分からない施設に連れて行かれた。女性はグルテンが含まれる食品を食べることができない体質だったが、台湾当局が用意した食事にこうした事情は考慮されていなかったそうだ。この他、部屋が汚い、湯が出ない、洗濯ができないといった待遇の悪さを指摘し、「まるで監獄のようだ」と語った。

 この記事がネット上に公開され、台湾で大きな話題となった。指揮センターの荘人祥報道官は、最初は民宿を手配したが、所持金が足りないと言われ、政府の施設に案内したと説明。2人が施設に到着した翌朝には湯沸かし器の修理が完了。洗濯機やWi-Fi設備も完備されているという。

 食事について外交部は、女性が施設に入った日に「グルテンフリーの食事が必要」との説明を受けたが、特殊な用語だったことから担当者がすぐに理解できなかったが、3度目の食事からは要望に応えていると強調した。

 なおこの施設の利用料は3食込みで1泊わずか約267台湾元(約960円)だそうだ。

/date/2020/03/27/19kakomi_2.jpg8坪の部屋にベッドや机、ドレッサーなど生活に必要な設備が整っている(26日=中央社)

 問題の施設を蘋果日報の記者が実際に訪れてみると、市街地から車で約40分の風光明媚(めいび)な場所にあり、女性はもともと8人用の部屋に仕切りを加えて設置した1人用のスペースに収容されていた。広さは十分で環境もよく、「監獄」とはかけ離れた印象を持ったそうだ。

 外交部はその後、「世界的に著名なメディアが裏取りもせず事実とは異なる内容の報道を行い、わが国の名誉を傷つけている」として遺憾の意を表明した。これを受けてBBCは27日午前までに当該記事を取り下げた。英国人女性は、花蓮県衛生局宛てに謝罪と感謝を伝えるメッセージを送った。