ニュース 電子 作成日:2020年3月30日_記事番号:T00089117
サプライチェーン関係者によると、ファウンドリー最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が年内に予定している3ナノメートル製造プロセスの試験生産は、来年初めへと延期となるようだ。新型コロナウイルスの欧米での感染拡大で設備の納期に遅れが出ている上、外国人の台湾入境制限などの移動制限措置により、設置人員が訪台できないためとされる。2022年の量産開始は予定通りとされるが、仮に先送りとなった場合、アップルのスマートフォン「iPhone」をはじめとした顧客の新製品出荷にも影響しそうだ。30日付経済日報などが報じた。
サプライチェーン関係者によると、TSMCが新竹科学園区(竹科)のFab12Bで6月に予定していた試験生産ラインへの設備設置は10月に延期となるようだ。3ナノ生産拠点となる南部科学園区(南科)Fab18での設置も10月から3カ月程度延期となるようだ。
TSMCはコメントを控えた。観測では、4月16日に開催する業績説明会で、5ナノ強化版(5ナノプラス、月産能力3万枚)を含む設備投資計画の一部先送りを表明するとの見方が出ている。瑞銀証券(UBSセキュリティーズ)は、今年下半期の最終製品需要減少のため、TSMCの21年設備投資額は120億米ドルと、20年計画の150億~160億米ドルを下回ると予測した。
TSMCは3ナノ計画に過去最大規模の1兆5,000億台湾元(約5兆3,000億円)以上を投じる予定で、台湾の半導体産業の集積効果が高まると期待されている。TSMCは、3ナノの詳細発表を4月29日に米カリフォルニア州サンタクララで予定していた技術フォーラムで行う予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大を受け8月24日に延期している。
仮にTSMCの量産が遅れれば、7ナノや5ナノで圧倒的に広がるTSMCとの差を3ナノで縮めるべく開発に注力する韓国のサムスン電子にとって、好材料となりそうだ。サムスンは、30年までにメモリー以外の半導体事業に1,160億米ドルを投じる計画だ。
5ナノ、Q2出荷増へ
一方、TSMCがこのほど量産を開始した5ナノでは、新型コロナウイルス感染拡大による受注の大幅な調整はないとされ、第2四半期には出荷量が増加する見通しだ。▽半導体設備の京鼎精密科技(フォックスセミコン・インテグレーテッド・テクノロジー、Fiti)▽極端紫外線(EUV)ポッドの家登精密工業(Gudengプレシジョン・インダストリアル)▽半導体検査用部品の中華精測科技(CHPT)▽半導体パッケージング・テスティング(封止・検査)の日月光投資控股(ASEテクノロジー・ホールディング、ASEH)──などが出荷増を支えている。
TSMCの5ナノ顧客は▽アップル▽海思半導体(ハイシリコン)▽アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)▽クアルコム──など。
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