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《新型肺炎》日本政府手配のインド退避便、在留台湾人の搭乗受け入れ


ニュース 社会 作成日:2020年4月1日_記事番号:T00089196

《新型肺炎》日本政府手配のインド退避便、在留台湾人の搭乗受け入れ

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、国境を封鎖したペルーに足止めされた日本人が、台湾政府の手配したチャーター機に同乗して同国を出国したと先日お伝えした。今度は日本政府がインドからの自国民の退避用に手配した臨時便に、現地に滞在する台湾人を便乗させることに同意し、「困った時はお互いさま」精神を発揮している。

 インド政府は先月24日、4月14日までの3週間にわたる国境の封鎖措置、および全国民、滞在者を対象とする外出禁止措置を発表。これを受けて台湾人を含め同国に滞在する外国人ビジネスマン、留学生、旅行者は多大な困難を強いられている。

 国境封鎖についてインド政府は、外国人の帰国を阻止することはないと説明していることから、日本政府は国民を帰国させるため、日本航空(JAL)と全日本空輸(ANA)によるニューデリー~東京間を結ぶ臨時便の運航を手配。これを受けて台湾の駐インド代表処は日本政府と交渉を進め、臨時便に台湾人滞在者も搭乗させることで同意を得た。

 代表処が30日、台湾人滞在者に通知を送付すると、座席を予約したいとの電話が殺到。既にこのほど台湾人ビジネスマンや旅行者が日本航空の臨時便に同乗し、東京経由で台湾へ帰郷を果たした。なお台湾人向けに割り当てられた座席は全日空の便は既に予約が満杯、日本航空の便も4日まで予約で埋まっているという。

 ただ日本政府は31日、台湾に対する感染症危険情報を、従来のレベル1(十分注意)から2番目に危険度の高いレベル3(渡航中止勧告)へ引き上げた。これにより臨時便による東京経由での帰台に影響が出る可能性が浮上している。

 駐インド代表処は、既に羽田空港から台湾へ向かう航空便の運航は停止されているが、成田空港からは1日に1便が運航されており、既に予約が完了している乗客の帰台には問題は生じないと指摘。一方で、今後、同国における台湾人乗客の乗り継ぎが禁止されるかどうかは日本政府の意向により決まるため、状況の推移を注視するとの考えを示した。

 全世界を混乱に陥れている新型コロナウイルス。感染を拡大させないことを大前提とし、各国・地域ができる限り国境を超えて助け合いたいものだ。