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WHO事務局長の台湾批判、蔡総統が反論


ニュース 政治 作成日:2020年4月10日_記事番号:T00089343

WHO事務局長の台湾批判、蔡総統が反論

 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長が8日、ジュネーブの本部で行った記者会見の席上、台湾を名指しし、「人種主義的な表現で数カ月も侮辱され続けた」などと約3分間にわたり主張したことが物議を醸し、台湾側が猛反発している。10日付聯合報が報じた。

 蔡英文総統はフェイスブック(FB)を通じ、中国語と英語で反論。「台湾が国際社会で人種主義的な攻撃を行っているとする主張に強く抗議する。台湾はいかなる差別にも反対している。長年国際組織から排除され、誰よりも差別と孤立を味わっている」と強調した。

/date/2020/04/10/17who_2.jpg蔡総統はFBユーザーに対し、メッセージを各国語に翻訳して台湾の立場を世界に発信してほしいと呼び掛けた(蔡総統FBより)

 蔡総統はまた、テドロス事務局長に台湾訪問を求め、「台湾人民が差別と孤立の中でいかに努力してきたか、世界に向けて歩み、国際社会に貢献しているかを感じてもらいたい」と訴えた。

 行政院のコラス・ヨタカ報道官も「台湾はWHOから見捨てられてきたが、テドロス氏に人身攻撃を加えることはあり得ない」と断じた。

 外交部はテドロス氏に速やかな発言の撤回と謝罪を求めた。

 台湾のインターネット上では、テドロス事務局長率いるWHOの中国寄りの姿勢を批判し、テドロス氏に対し、差別的な表現を用いるケースが散見されていたのも事実だ。しかし、背景には台湾が中国の圧力でWHOから疎外されている現実があり、台湾ではテドロス氏の発言が台湾に対する一方的で理不尽な批判として受け止められている。