中国の教育部は９日、新型コロナウイルス感染と両岸（中台）関係の状況を踏まえ、2020年に中国の各教育機関を卒業する中国人の台湾での就学、就労を一時的に停止すると発表した。中国が中国人学生の台湾での就学、就労を停止するのは、台湾が大学・専科学校（高専などに相当）への中国人留学生の受け入れを開始した11年以降で初めて。10日付工商時報が報じた。
邱報道官は、中国の大学などで学ぶ台湾人留学生も中国の感染状況を慎重に見極める必要があると述べた（９日＝中央社）
台湾の大陸委員会（陸委会）の邱垂正報道官は、中国政府が台湾側と協議せずに一方的に台湾での就学を停止したことは無責任で、中国人学生の権益を無視していると批判した。
また、台湾の大学などに在籍する中国人留学生が新型コロナウイルス感染拡大の影響で来台できない状況が続く中、中国側が台湾に中国人留学生の来台を認めるよう要求したことについて、邱報道官は、中国での感染状況は安定しておらず、非合理的で無責任な要求だと批判。多くの大学では中国人留学生の権益を守るため遠隔授業（オンライン授業）を取り入れていると説明した。
