ニュース 社会 作成日:2020年4月14日_記事番号:T00089383
感染症対策本部、中央流行疫情指揮中心(中央流行疫情指揮センター)は14日、新たな新型コロナウイルス感染確認はゼロと発表した。感染者ゼロは3月9日以来、36日ぶり。指揮官の陳時中衛生福利部(衛福部)長は13日、台湾での市中感染の可能性は非常に低く、一般市民への大規模なスクリーニング検査実施は不適当との見解を示した。実施しても感染者はほとんど見つからず、重要な医療資源を消費するとの立場だ。ただ、迅速検査の確立やワクチンの完成まで油断はできず、当面は措置の緩和はないとして、引き締めに努めた。中央社電などが伝えた。
台湾の感染確認者は累計393人(うち死亡6人)。このうち輸入症例が338人、域内症例が55人で、これまでに124人が隔離を解除された。
台湾での感染確認は帰台者とその関係者が多くを占め、帰台した市民からは「世界一安全な場所」との声も出ている。
陳部長は、ワクチンの開発は、安全性との兼ね合いから時間がかかるとの見方を示した(13日=中央社)
陳部長は、現在は100万人当たりの検査数は約2,000人だが、正確性を期した検査を行っても感染確認は100万人当たり16人にとどまると指摘。市中感染の未然防止のためには、感染者数を抑えるだけでなく、検査能力に余裕を持たせなければならないが、検査範囲を拡大すれば、検査体制の崩壊を招くことになると述べた。現在は1日当たり1,600〜1,700件、週約1万件へと増加している。
一方、大規模な市中感染がいったん始まった際、迅速検査が確立されていなければ、医療体制の崩壊を招くと指摘した。感染拡大が著しい韓国やドイツでは、大規模な迅速検査が実施されている。
1社が臨床試験段階
指揮センター疫情監測組の周志浩組長は、台湾でも抗体や抗原の迅速検査キットを開発中だが、感度や同ウイルスへの特異度が不十分で、認証が済んでいない問題もあると指摘した。
聯合報によると、検査試薬の認証には通常220日かかるが、薬事法の緊急条項が初適用されたことで、資料完備と効果証明で、1カ月以内の審査完了が可能になった。
衛福部食品薬物管理署(TFDA)は、既に1社が臨床試験段階に、4〜5社が臨床試験の準備段階に入っていると説明した。
防疫ホテルの利用呼び掛け
指揮センターは14日、18日以降に台湾に入境し、過去14日間に欧州・米州への渡航歴があり、▽65歳以上の高齢者▽6歳以下の子供▽基礎疾患を持つ人──と同居している場合、または自宅に専用の浴室やトイレ付きの個室がない場合、入境後14日間の外出制限「居家検疫」のため防疫ホテルに宿泊してもらうと発表した。入境時に不実の申告をした場合は最高15万台湾元(約54万円)の過料を科す。
指揮センターによると、無症状の感染確認者の大部分は、感染した家族との濃厚接触を理由にウイルス検査を行ったことで判明した。陳部長は、「居家検疫」を自宅で行う場合は完全に(家族などとの)接触をなくすのは困難と指摘した。米国からの帰台者は、台湾の感染者全体の23.1%を占める。
一方、政府の集中検疫所の使用率は、湖北退避の定期チャーター便、外国人労働者、外出制限措置違反者の収容で、既に高水準に達した。
指揮センターの12日まとめによると、感染確認者のうち5.7%(22人)が無症状感染者(感染判明時)だ。感染確認者のうち▽合併症のない軽症、71%(278人)▽軽度の肺炎、20.9%(81人)▽重度の肺炎・呼吸不全、7.5%(29人、死者6人を含む)──だった。
「居家検疫」対象者は累計9万7,000人で4万8,000人が措置中、感染者との濃厚接触による「居家隔離」は累計7,700人で3,100人が措置中だった。
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