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裕隆と鴻海の合弁、来年下半期に初車種(トップニュース)


ニュース 自動車・二輪車 作成日:2020年4月16日_記事番号:T00089440

裕隆と鴻海の合弁、来年下半期に初車種(トップニュース)

 自動車大手、裕隆汽車製造(ユーロン・モーター)の姚振祥総経理は15日、自動車の設計・研究開発(R&D)の合弁設立で合意している電子機器受託生産サービス(EMS)の鴻海精密工業との共同開発による最初の自動車は、来年下半期の発売を予定していると明らかにした。初車種となるのは、裕隆傘下の納智捷汽車(ラクスジェン・モーター)が昨年末に公表した次世代のスポーツ用多目的車(SUV)「MBU」で、裕隆グループが既に7割を開発している。姚総経理は、合弁会社ではラクスジェン以外の世界の顧客向けの開発も受託すると説明した。16日付工商時報などが報じた。

/date/2020/04/16/00top_2.jpgコンセプトカーとして公開された「MBU」。レーシングカー級の300馬力を目標に、次世代2.0ターボエンジンを搭載する(裕隆リリースより)

 「MBU」は、裕隆傘下で研究開発を手掛ける華創車電技術中心(HAITEC)が開発中で、合弁会社が開発を引き継ぐ予定だ。「MBU」は昨年末、世界新車大展(台北オートショー)に出展された。

 裕隆と鴻海は3月6日、自動車の設計・研究開発を手掛ける合弁会社を設立する契約を交わしていた。資本金は155億7,600万台湾元(約560億円)。出資比率は、鴻海が51%(現金)、華創車電が49%(現物出資)。裕隆が開発した自動車プラットフォームと、鴻海の強みである情報通信技術(ICT)とサプライチェーンを生かし、新エネルギー車や自動運転車の開発を手掛ける予定だ。姚総経理は、鴻海との連携で自動運転などトレンドに対応できると説明した。

 合弁会社は、ラクスジェンのみならず、世界の自動車メーカーからの受注を目指す。鴻海が別の合弁会社設立で合意した、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)との連携もありそうだ。

 なお、2022年にも発売するとしていた合弁会社開発の電気自動車(EV)について姚総経理は、鴻海側から説明すると述べるにとどめた。

裕隆の仏電動車受託、試産延期

 この他では、裕隆が生産を受託した仏Muses(ミューズ)の物流用電動車両の生産は、フランスでの新型コロナウイルス感染拡大による封鎖措置の影響で、同国にある部品の台湾到着が5月中旬へと2カ月程度ずれ込むため、5月に予定していた試験生産が下半期へと延期となった。姚総経理は、年内に出荷できるとの見通しを示した。

台湾自動車市場見通し、1%減

 裕隆グループが15日発表した20年台湾自動車市場の新車販売台数予測は42万2,000台で、前年比1.1%減少する見通しだ。中国市場は2,000万台で、22.4%減少とみている。新型コロナウイルス感染拡大による経済悪化が高額商品の消費に打撃となる他、米中貿易戦争の影響が続くとみている。

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 同グループの20年の自動車新車販売目標は、日産車が3万5,000台、ラクスジェン車が6,000台、中華汽車工業(チャイナ・モーター、CMC)の台湾向けが4万8,000台、輸出向けが1,000台と、慎重視している。中華汽車の電動バイク新車販売目標は、台湾向け1万7,000台だ。

【表】