ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム 会社概要 採用情報 お問い合わせ

コンサルティング リサーチ セミナー 在台日本人にPR 経済ニュース 労務顧問会員

《新型肺炎》新型コロナ下の卒業式、中止・決行の判断分かれる


ニュース 社会 作成日:2020年4月20日_記事番号:T00089518

《新型肺炎》新型コロナ下の卒業式、中止・決行の判断分かれる

 新型コロナウイルスの感染拡大による混乱が続く中、台湾では6月に迎える卒業シーズンにも影響が出そうだ。

 卒業式は通常、卒業生や教師など大勢が講堂など集まって挙行される、いわゆる「三密」イベントに当たる。この卒業式について新型コロナウイルス対策本部の中央流行疫情指揮中心(中央流行疫情指揮センター)と教育部はいずれも、「屋内は参加者100人以下、屋外は500人以下」など集会活動における感染防止策に関する指導指針(ガイドライン)を順守すれば挙行可能との考えを示している。

 ガイドラインによると、参加人数の他、▽集会会場の通気・換気状況▽参加者同士の距離▽集会の実施時間▽手洗いやマスク着用が実施できるか否か──といった点が集会の実施基準となる他、感染の疑いのある者が発見された場合、一時的な隔離措置を行った後、病院へ搬送し、通報するなどの感染拡大防止計画を策定することが求められる。

 各大学ではさまざまな対策が検討されている。毎年約6,000人が卒業する台北市の中国文化大学では「卒業ウイーク」を設け、62学科が別々に卒業式を挙行する予定だ。

 高雄市の海岸部、西子湾に位置する中山大学は、感染リスクを避けるため、立地条件を生かして砂浜で卒業式を実施する計画だ。なお屋外とは言え卒業生は2,000人を超えるため、同校でも学科ごとに分けて式を挙行する。

 台中市の中興大学は卒業式の全面中止を決定。教師によるお祝いコメントや歌を収録した動画を作成し、インターネットを通じてダウンロードできるようにする予定だ。

小学校最後のチャレンジ

 一部の小学校では毎年、卒業時に特色あるイベントが実施されている。今年は中止を決める学校がある一方で、例年通り実施を予定する学校もある。

 基隆市の中華国民小学では例年、卒業生がスキューバダイビングを行い、海中に置かれた卒業証書を取りに行くというイベントを実施しているが、今年は新型コロナウイルスの影響を考慮し、中止を決めた。

 一方、新北市の鼻頭国民小学と福連国民小学は、卒業生が遠泳やカヌーなどにチャレンジした後に海上で挙行する卒業式を今年も例年通り実施する予定だ。

 一生に一度の卒業式、さまざまな条件で各校の判断は当然、分かれることになるが、いずれにしても今年の卒業生にとっては忘れられない思い出となりそうだ。