ニュース 社会 作成日:2020年4月21日_記事番号:T00089534
19日以降、携帯電話に「疫情警示」という文言で始まる中国語のショートメッセージサービス(SMS)を受け取った方はいるだろうか?これは、18日以降に確認された台湾海軍の敦睦遠航訓練支隊の集団感染者が立ち寄った場所に、同時刻帯に滞在していた市民に発信された注意で、基地局に記録されたデータを基にリスクの高い対象者に確実に注意を喚起することを目的としている。通知を受け取った市民からは居場所を知られていることに「国家に監視されているようだ」と不安を訴える声も上がっている。
中央流行疫情指揮中心(中央流行疫情指揮センター)が、国家通訊伝播委員会(NCC)を通じて通信キャリアに協力を要請し、SMSを利用して発信したメッセージは、「あなたは武漢肺炎の確定患者と同時刻帯に同じ地点に滞在していました」と伝え、注意を呼び掛ける内容となっている。
受信者やインターネットユーザーからは「なぜ感染者と同時刻に同じ場所にいたことが分かったのか?」「受信者は行動を監視されていたのか?」といった疑問の声が上がった。
NCCは、携帯電話は起動させておくだけで自動的に最寄りの基地局に接続され、電話番号を含むデータが記録されると指摘。指揮センターの荘人祥報道官は、海軍の感染者24人が4月15日に艦船を下りた後、15分以上滞在した場所と時刻を特定し、基地局の記録から同時刻に同じ場所にいた市民の電話番号を抽出して、メッセージを発信したと説明した。
なお多くの新型コロナウイルス感染者を出した大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客が1月末に基隆港で下船し、北部の観光地を訪問していたことが発覚した際には、基隆市、台北市、新北市の市民の携帯電話に災害時と同様、警報通知サービスが一斉送信された。
これは指定したエリア内の携帯電話にメッセージを一斉送信することができるセルブロードキャスト方式のシステムを利用したもの。北部以外の市民が、たまたまクルーズ船の乗客と同時刻に同じ場所に居合わせた場合は受信対象から漏れるという欠点がある。
このため今回はSMS方式が採用されたわけだが、同方式については個人資料保護法(個人情報保護法)や通訊保障及監察法(通信保障監察法)に反するのではとの声も聞かれる。これに対しNCCは「感染病の予防の必要から使用する場合は問題ない」との見解を示した。利用したデータは他の個人情報とはリンクしておらず、新型コロナウイルス感染症の流行が収束すれば消去すると強調した。
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