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誠品、信義区に24時間書店(トップニュース)


ニュース 商業・サービス 作成日:2020年4月24日_記事番号:T00089604

誠品、信義区に24時間書店(トップニュース)

 書店チェーン大手、誠品(エスライト)は23日、台北市信義区にある信義店で24時間営業を行うと表明した。5月29日から試験導入する。併設のレコードショップやスーパーマーケットでも24時間営業を実施、午前1時まで営業する誠品咖啡(エスライト・カフェ)では庶民料理やカクテルを提供する。昼夜を問わず読書のできる博物館を目指し、ナイトライフの盛んな信義区での「深夜経済」商機に参入する。世界初の24時間書店、敦南店(大安区)は5月末で閉店する。24日付経済日報などが報じた。

/date/2020/04/24/00top1_2.jpg創業者の亡き父、呉清友氏がオープンさせた敦南店。父との思い出がたくさん詰まった特別な場所で、呉旻潔董事長(左)が事業に携わることになった原点だ(23日=中央社)

 24時間営業を行う信義店3階の誠品書店(エスライト・ブックストア)は、敦南店の1.8倍の17万種類を超える書籍を取りそろえる。外国語書籍は2万種類、芸術書籍は6,000種類と充実。書店の面積は敦南店の2.5倍と、圧迫感なくくつろげる。試験営業後、6月1日には正式に24時間営業に切り替える。

 誠品咖啡では、台湾の食材を生かした10種類以上のベジタリアンパンを販売する他、夜の時間帯は▽ネギ卵焼餅(シャオビン)▽鶏の足の煮込み▽牛肉麺▽小籠包(ショーロンポー)──などの庶民料理の他、カクテルも提供する。営業時間は午前8時~翌日午前1時。

 誠品の呉旻潔(マーシー・ウー)董事長は、カフェは24時間営業に不可欠な要素で、南西店(中山区)を24時間営業化することも考えたが、駐車場や都市交通システム(MRT)など交通の利便性、面積、業態などを考慮し、最終的に信義店に決めたと説明した。

 店内の誠品音楽館(エスライト・ミュージック)は、台湾最大規模のアナログレコードを取りそろえ、クラシックコーナーを設置している他、専門の音響体験サービスを提供している。将来的には不定期での深夜DJショー、発売イベントや巡回公演、コンサートを開催する考えだ。

 スーパーの誠品知味市集(エスライト・フレーバー・マルシェ)では、▽野菜▽肉▽海鮮▽地鶏の卵▽小規模酪農家の牛乳▽調味料▽おつまみ──などを販売している。

 百貨店・ショッピングセンター(SC)の密集する信義区では、▽新光三越百貨▽微風(ブリーズ)▽ATT 4 FUN──が深夜営業の飲食店テナントの強化に乗り出しており、競争が激化しそうだ。

台中店、イベント型24時間営業も

 同社は、敦南店の閉店に伴い24時間営業を引き継ぐ店舗を予想するイベントを10日からフェイスブック(FB)で行っていた。▽信義店▽南西店▽松煙店(信義区、松山文創園区)▽台大店(大安区、台湾大学そば)▽園道店(台中市西区)──の5店から投票で園道店が選ばれた。呉董事長は、園道店で期間限定での24時間営業イベントを行うことを検討すると表明した。

新型コロナ、客足3~4割減

 同社は、新型コロナウイルス感染症流行の影響で、2月中旬以降、▽南西店▽松煙店▽西門店──など台湾での客足が3~4割減少していると明らかにした。誠品生活の2~3月売上高は前年同期比22%減少した。

 一方、中国の蘇州店(江蘇省)、深圳店(広東省)はそれぞれ約20日間、40日間休業したが、営業再開後は6割まで客足が回復している。

 誠品は、2004年にタイム紙アジア版で「ベスト書店」に、15年にはCNNで「世界で最もクールな書店」の一つに選ばれている。

/date/2020/04/24/00top2_2.jpg敦南店は床に座りくつろいで読書できる空間として、約30年間市民に親しまれた(23日=中央社)