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林森北路でカラオケ火災、5人死亡(トップニュース)


ニュース 社会 作成日:2020年4月27日_記事番号:T00089633

林森北路でカラオケ火災、5人死亡(トップニュース)

 台北市中山区の歓楽街、林森北路にあるカラオケボックス(KTV)最大手、銭櫃企業(キャッシュボックス・パーティーワールド)の台北林森店が入る14階建て(地上10階、地下4階)のビルで26日午前11時ごろ火災が発生し、5人が死亡、1人が心肺停止、48人がけがをした。台北市でのKTVの火災として、25年ぶりとなる規模の惨事だ。出火当日、エレベーター増設工事のため主要な消防用設備の電源が違法に切られていたために逃げ遅れたとして、「人災」との指摘も出ている。中央社電などが伝えた。

/date/2020/04/27/00top_2.jpgはしご車など100台近く、200人以上が出動し、取り残された客らの救出に当たった(26日=中央社)

 火元は同店5階(案内上、実際は4階)の倉庫とみられている。同店は1〜9階にある。午前10時57分に消防に通報があり、午前11時3分に現場に到着、午前11時半には鎮火した。

 新型コロナウイルス感染症対策で閉鎖される公共施設が多い中、同店は7~9階で営業し、客ら356人が滞在していた。約200人が避難、約156人が消防に救助された。エレベーターシャフトを通じて上層階に向け煙が広がった。従業員、客を含む死者5人は9階にいた。日本台湾交流協会によると、日本人が巻き込まれたとの情報は入っていない。

 客の女性によると、歌い始めて1時間ほどしたところ、警報もなく突然、通風孔から煙が大量に流入してきた。

 同店では、消防局に通知せずに、違法にバリアフリーのエレベーター増設工事を行っていた。初期調査によると▽排煙設備▽スプリンクラー▽消防警報設備▽火災警報器▽放送設備──の電源が切られていた。

 検察は、施工監督、作業員、銭櫃の幹部ら14人を呼び、捜査を進めている。業務業過失致死で有罪となった場合、5年以下の懲役、拘留、もしくは50万台湾元(約180万円)以下の罰金に処せられる。

直轄市が検査強化

 柯文哲台北市長は急きょ訪問先の屏東県から台北に戻り、現場に駆け付けた。出火原因は専門家の鑑定結果を待つ必要があり、結論を急ぐのは早急とした上で、同店を営業停止させ、証拠保全に努めるよう指示した。また、同市内の他の銭櫃の店舗に対し消防査察を行い、不合格の場合、店舗の使用停止を命じる。

 他の5直轄市政府もKTVへの検査を強化する方針だ。台南市の黄偉哲市長は26日午後、中西区和意路の銭櫃の店舗に臨時査察を行った。消火栓前に物が置かれており、改善を指導した。新北市の侯友宜市長は、板橋区のKTV2軒への査察を指示した。

 銭櫃は、消防の原因調査に全面的に協力するとともに、傘下のKTV各店に対し、消防設備、避難設備の点検を指示しており、再発防止に努めると表明した。遺族に対して10万元の慰問金を送り、負傷者の支援にも当たる。