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《新型肺炎》海外旅行回復は23年=旅行最大手ライオントラベル(トップニュース)


ニュース 商業・サービス 作成日:2020年4月28日_記事番号:T00089657

《新型肺炎》海外旅行回復は23年=旅行最大手ライオントラベル(トップニュース)

 旅行最大手、雄獅旅行社(ライオン・トラベル・サービス)の王文傑董事長は27日、新型コロナウイルスで海外旅行市場は風前のともしびで、全面回復は早くても2023年との見方を示した。もはや台湾域内旅行しか市場は残されておらず、同社は従業員3,000人のうち1,800人をつぎ込むと表明した。今後1年以内に域内旅行の年間売上高を50億~60億台湾元(約180億~210億円)へと約3倍を目指す他、インターネット販売にも注力する。28日付工商時報などが報じた。

/date/2020/04/28/00lion_2.jpg王董事長(右)は、▽官民協力▽観光農場▽地場産品ネット販売▽欣食旅のレストラン事業──の「4本の矢を放つ」と宣言した(農委会リリースより)

 王董事長は、この1カ月近くで商品開発、マーケティング販売などの営業部門の他、情報技術(IT)、人事、財務などの非営業部門の人員を再編し、域内旅行事業を1,800人に増やしたと説明した。

 王董事長は政府に対し、消費者が安心して域内旅行を楽しめるよう、▽ツアー旅行参加の実名制▽総量規制▽合法企業に「安心旅行認証」付与──を提言した。

 同社は新型コロナウイルス感染拡大に伴い、業界で先頭を切って海外団体ツアーの催行中止、役員報酬の取り消し、幹部の給与カットに踏み切ってきた。同社の年間売上高は300億元以上で、うち域内旅行はわずか20億元。同社の今年3月の売上高は3億8,300万元で前年同月比85%減だった。

 運営資金を確保するため、同社は27日の董事会で、上限7億元の無担保転換社債(期間3年、発行金利0%)の発行を決定した。設立43年以来で初の社債発行となる。

地場産品ネット販売

 同社は27日、▽野菜・果物や花卉(かき)販売▽土産物などの加工品の販売▽観光農場体験──の推進で、行政院農業委員会(農委会)と提携すると発表した。

 まず同社傘下の旅行生活用品ネットショッピングサイト「欣厳選(シンショップ)」で、同社と農委会が厳選した地場産品を販売するコーナー「台湾好味」を開設した。母の日(今年は5月10日)セール期間中、同社会員500万人は全品1割引きとなる。実店舗でも、ライオントラベルの忠孝概念店(台北市大安区)を皮切りに、全台40店舗で販売する。

 農委会の陳吉仲主任委員は、台湾の食品業の生産額は6,000億元でうち輸出は600億元だった他、毎年100万人の海外からの訪台客が台湾の農業体験施設を訪れ、生産額100億元を生み出していたと指摘した。