ニュース 社会 作成日:2020年4月28日_記事番号:T00089680
新型コロナウイルス感染予防の社会的距離(ソーシャルディスタンス)を確保するため、交通部が提供するアプリ「高速公路1968」(https://1968.freeway.gov.tw/)にこのほど、観光スポットなど全土216カ所の混雑状況を確認できる新機能が追加された。そんな中で、観光ホテルで予約キャンセルが急増したと、悲鳴が上がっている。
交通部の林佳龍部長は、「高速公路1968」は既に100万人以上にダウンロードされていると説明した(林交通部長フェイスブックより)
もともと「高速公路1968」は高速道路状況を確認するためのアプリで、▽国家公園▽夜市(ナイトマーケット)▽寺院・廟(びょう)▽市場──などの混雑状況を知ることができる機能が追加された。アップグレード版の公開前後から、各地の観光ホテルでは予約取り消しの電話が急増した。この2日間のキャンセル数が約100室に上ったホテルもある。
南部のホテルは、4月9日に高雄市に帰還した海軍艦船で発生した集団感染の影響で、観光客が激減し、労働節(メーデー、5月1日)連休(1~3日)の予約率が50%を割り込んだところへ、アプリが追い打ちを掛けたと嘆いた。まさに「泣き面に蜂」だ。このアプリの対象地となったホテルは、キャンセル率が悲惨な状況だという。
対象地のうち台南市は27カ所、全体の10%以上を占めた。黄偉哲台南市長は、台南市は新型コロナウイルス感染確認が6直轄市で最も少ないが、台北市は感染確認が多いのに対象は4カ所しかないと指摘し、「台南にうらみでもあるのか」と不満をこぼした。
対象地は、▽通信キャリア最大手、中華電信がビッグデータ分析技術により過去3カ月で人の流れが多かったと判定した上位100カ所▽内政部が推薦した84カ所の夜市や伝統市場▽中央流行疫情指揮中心(中央流行疫情指揮センター)が推薦した11カ所──から成る。
中部では中華電信の市場シェアは約4割、南部では3割に過ぎず、同社のデータを基にした混雑判定を疑問視する声も上がった。
こうした声に対し指揮センターの指揮官を務める陳時中衛生福利部(衛福部)長は、感染防止のための規制と緩和は常に見直しが必要で、現地事情を最も理解している地方政府と話し合いに応じると語った。
万一、規制緩和で新型コロナウイルス感染が広がれば、経済効果は一時的なものになる。感染防止と経済的打撃の両面を考慮し、慎重に対応する他ないのだろう。
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