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《新型肺炎》新型コロナ対策本部100日、会見配信10万人視聴も


ニュース 社会 作成日:2020年4月29日_記事番号:T00089702

《新型肺炎》新型コロナ対策本部100日、会見配信10万人視聴も

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、今年1月20日に感染症対策本部の中央流行疫情指揮中心(中央流行疫情指揮センター)が開設されてから28日でちょうど100日を迎えた。世界的に称賛を集める台湾の感染対策の陣頭指揮を執る同センターの指揮官、陳時中衛生福利部(衛福部)長は、その手腕や人柄の良さから人気と尊敬を集めており、インターネット中継される連日の記者会見は、同時視聴数が10万人を超えることもある「人気コンテンツ」と化している。

/date/2020/04/29/19kakomi_2.jpg陳部長は、「国家のために尽くすことができる人生で得難い機会だ」と語った(28日=中央社)

 陳部長は指揮センター開設からの100日を振り返り、感染症との戦いは医療面と心理面の両方の戦いと指摘。医療面では各種感染防止策を講じ、治療体制を整えれば乗り越えることができるが、心理面の戦いは市民を安心させ、パニックに陥らせない必要があると語った。

 このため陳部長はセンター開設以降、1日も欠かすことなく開いてきた記者会見で何度も、「感染者が過ちを犯したのではない、接触者にも罪はない」と語り、互いに相手を思いやって「魔女狩り」をしないよう呼び掛けた。こうした言葉が緊張の高まる防疫の最前線に穏やかな雰囲気を生み、市民を安心させる効果をもたらしている。

 ただ「突発的な事態が発生すれば、政治的な対立で専門家の声が埋もれることがあり得る」と語り、そうなれば社会がばらばらになり、防疫体制や市民の心理が一気に崩れる可能性があるとして警戒を緩めていない。

 陳部長は、自らを「生まれついての仏頂面」と認識している。そのためか、ネットを利用して露出を高める政治家が増える中、初めてネット動画に登場したのは17年に衛福部長に就任してから随分時間がたった昨年2月のことだった。それからわずか1年後、自身が毎日、ネット上にその身をさらし、アイドル並みの人気を博すとは想像もしていなかったことだろう。

 「これまでの100日で最も緊迫した時は?」と聞かれた陳部長は、2月8日に基隆港へ入港したクルーズ客船「スーパースター・アクエリアス」の乗客・乗員128人を対象に行われたウイルス検査の結果を待っていた時と答えた。

 指揮センター開設からは100日だが、陳部長をはじめ、主要メンバーは昨年末から120日以上、休暇も取らず奮闘を続けている。

 そのタフさから「鉄人部長」の異名を取る陳部長(66)だがネットユーザーから「記者はくだらない質問をやめて指揮センターのメンバーを休ませてほしい」などと、いたわるコメントも寄せられている。