今年年初以来続く中小型液晶パネル価格の下落が止まらない。ディスプレイサーチの予測では、川下顧客の在庫調整が続く中、中小型パネル価格はさらに下落を続け、8月の下落幅は中型で2~3米ドル、小型で0.1~0.3米ドルとなる見通しだ。21日付工商時報が報じた。
今年は携帯電話、デジタルフォトフレームなどのコンシューマ向け電子製品の需要が予想を下回り、携帯電話向けパネル価格で第2四半期5~10%、さらに中型パネルでは24%の大幅な下落をみせた。
ディスプレイサーチでは、今年低価格ノート型パソコンの需要は1,400万台、デジタルフォトフレームは予想以下とはいえ1,000万~1,500万台の需要が見込まれ、中型パネルの需要は昨年よりも成長するとみている。しかし供給量の増加がこれを上回っており、生産コスト16~18米ドルに対し、価格は年初の30米ドルから下がり続けて利益を圧迫している。メーカーでは6月末から減産を実施して価格の下落阻止を図っている。
低価格ノートの安定した需要を好感し、多くのパネルメーカーが今年、従来の7インチ型パネルの生産ラインを8.9インチおよび10インチなどの生産に転換している。しかし7月末には同型パネルの供給量が急激に増加すると予測され、価格の下落圧力が高まっている。7月分は8.9インチが単月7米ドル下落して平均約53米ドル、10インチは約60米ドルとなった。8月の低価格ノート型パソコン向けパネルはさらに2~3米ドル下落する見通しだ。