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台湾米の販売急増、海外でも人気に


ニュース 社会 作成日:2020年4月30日_記事番号:T00089731

台湾米の販売急増、海外でも人気に

 新型コロナウイルス感染拡大防止に向けた外出自粛により、市民の自炊が増えた上、世界各地で食料品の買いだめや争奪戦が発生していることから、台湾では域内向け、海外向けを問わず、米の販売量が増えている。特に花蓮県や台東県で採れる高品質の米は海外でも人気を呼んでいるようだ。

 花蓮県富里郷農会(農協)の張素華総幹事は、新型コロナウイルス感染症が増える中で、多くの市民が米の買いだめに走り、同会の電話は鳴りっ放しとなり、宅配業務の1日の売り上げが100万台湾元(約360万円)を突破したと話した。

 インターネット注文も多く、従来200~300箱だった1日の配送量が連日800箱、重量にして10トン以上に増加した。多くの消費者に行き渡るよう購入制限を設けている。特に地元の看板商品、益全香米や特殊品種の牛奶皇后米は売り切れ状態だ。

 台東県池上郷農会の游玉桜総幹事も、感染予防のため外食が減り、自炊が増えたことで市民の自宅での米消費量が増加し、2月は200~300件だった1日の小売り注文が3~4月中旬は2,000件余りまで増えたと説明した。残業して出荷を急ぐ毎日が続いているそうだ。

 域内向けだけでなく海外向け販売も大幅に増えている。池上郷の青年農家、魏瑞廷さんは、中国の台商(海外で事業展開する台湾系企業)から先日、毎年10トンの米を山西省に輸出する内容で3年契約を結びたいとの連絡があったと話した。さらに香港向けに5年間供給することで提携の覚書(MOU)を交わした。米国やイタリアの華人コミュニティーからもそれぞれ1トンの受注があるという。

 今回の新型コロナウイルス禍を機に、台湾米の国際ブランド化が進む可能性もありそうだ。