ニュース その他製造 作成日:2020年5月4日_記事番号:T00089743
紡織大手、台南紡織(台南スピニング)は2日、5月より台南市の新市工場の操業を一時停止したと明らかにした。新型コロナウイルスの感染拡大による欧米などでの小売店休業、東京五輪延期によるスポーツウエアをはじめとするアパレル業界の需要減を受け、希望退職者を募ったところ、従業員の95%以上が応募した。将来的な再稼働を念頭に同工場は保有し続けるが、同社の綿糸の生産拠点がベトナムに移ることになる。3日付経済日報などが報じた。
綿糸を手掛ける同工場では4年連続で赤字が続いていたが、新型コロナウイルス感染拡大により業績がさらに悪化したため、4月から希望退職者を募ったところ、想定の50%を大きく上回る95%の従業員から応募があったことで、生産能力削減の予定から一時操業停止に変更した。
台湾人従業員300人、外国人労働者105人は離職し、同工場の残る従業員は10人余りとなる。中国時報は従業員の話として、会社側は希望退職・離職か、他工場への異動を提示していたと伝えた。
同社は、希望退職者には社歴20~30年の場合平均5カ月分の給与を追加支給、社歴が退職制度に満たない希望離職者には3カ月分を追加支給すると説明した。
同社主管は、新市工場の土地と建物は自社所有で、工場閉鎖はせず、売却や貸し出しの予定もないと説明した。最低限の生産能力保持と機器メンテナンスを続け、景気回復状況に応じて再稼働できるようにする。
同社は1955年設立の老舗。新市工場の一時操業停止で、同社の台湾工場は、化学繊維を手掛ける太子工場(台南市仁徳区)と仁徳工場(同)のみとなる。同社は赤字の続いていた仁徳紡紗一工場での綿糸生産を、昨年下半期に終了していた。
光明は稼働再開
加工糸大手の光明絲織廠も、新型コロナウイルス感染拡大の影響で受注が大幅に減少しており、桃園市の観音工場の操業を4月28日~5月3日の間停止していた。同社主管は、生産量調節のための操業停止で、4日から稼働を再開するとして、 工場閉鎖はないと説明した。同社によると、受注減や出荷遅延で、第1四半期の出荷量は前年同期比3割減少した。4~5月はさらに悪化するとみている。
台湾やベトナムの紡績業は、春節(旧正月)連休後には中国での感染拡大により恩恵を受けたが、2月末からは中国からの付属材料輸入が滞り生産が停滞、3月末以降は欧米での感染拡大による需要減に直面している。
アジアの紡績業の顧客は主に▽GAP▽ZARA▽ナイキ▽アディダス──など。
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