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D-リンク経営権争い、子会社アルファ董事長解任


ニュース 電子 作成日:2020年5月5日_記事番号:T00089776

D-リンク経営権争い、子会社アルファ董事長解任

 ネットワーク機器大手、友訊科技(D-リンク)の経営権を巡る暗闘が表面化している。同社の創業者、故・高次軒氏の妻で、現在董事長を務める胡雪氏と確執が生まれたとされる設立メンバーの1人、李中旺氏が子会社、明泰科技(アルファ・ネットワークス)の董事長から電撃的に解任されたことで事態は新たな局面を迎えた。同社を巡っては台湾鋼鉄集団(台湾スチールグループ、TSG)が経営権獲得を目指し、D-リンク董事でもある李氏の支持獲得に動いたとされる。5日付経済日報などが報じた。

 アルファは4月30日、董事会を開き、二大株主のD-リンク、佳世達科技(Qisda)が手を組む形で、これまでアルファの董事長を18年間にわたり務めてきた李氏を解任し、後任に佳世達の商業・工業用産品事業群総経理の黄文芳氏を充てる人事を決定した。胡董事長にとっては、本丸のD-リンクを守るための「荒療治」に出た格好だ。

 佳世達はさらに、アルファに対する株式公開買い付け(TOB)を開始すると発表した。佳世達はアルファの株式を5~19%追加取得し、持ち株比率を28.8~42.8%に高め、実質的経営権を掌握する構えだ。提示価格は1株30台湾元(約110円)で、最大30億9,000万元を投じる。佳世達は現在、アルファに23.8%を出資する筆頭株主。

 解任された李氏は1986年設立されたD-リンクの設立メンバーの1人。アルファは、2003年にD-リンクの研究開発部門を分離する形で設立され、李氏がこれまで董事長を務めてきた。

 李氏は4日までに、解任手続きは会社法に違反しているとして提訴した他、現状維持を求める仮処分を申し立て、自身は現在でもアルファの合法的な董事長であると主張した。