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中国労働契約法のトラブル、企業側が80%敗訴


ニュース その他分野 作成日:2008年7月22日_記事番号:T00008979

中国労働契約法のトラブル、企業側が80%敗訴


 中国で今年1月に施行された労働合同法(労働契約法)は、一部条文の規定があいまいで解釈をめぐる論争が絶えない。中国に労働法制に詳しい遠通国際顧問の蕭新永総経理によると、中国政府は同法の条文を具体化した「労働契約法実施条例」の草案を5月に明らかにしており、今年下半期にも公布される見通しだ。22日付経済日報が伝えた。

 蕭総経理は21日、中台交流の窓口機関に当たる海峡交流基金会(海基会)が開いたセミナーで講演し、「労働契約法では労使紛争が起きた場合、企業は証拠提示責任を負っている。台湾企業は人事部門を重視し、予防措置を講じるべきだ」とアドバイス。具体例として、普段から従業員に関する事柄について書面を残すことや労働契約の満了日に気を配ることなどを挙げた。

 また、労働契約法は労働者の権利を重視する内容のため、中国では労働者の側に立って、法的な抜け道を指南したり、企業側のミスを指摘する専門弁護士が出現しており、労使紛争委員会の審議では企業側が80%敗訴していると指摘した。

 台湾企業の多くは労働契約法が企業の発展を阻害していると不満を抱いているが、蕭総経理は「この機会に内部管理を徹底すべきだ。労働契約法は人事面で言えば、企業に代わってつくられた管理ツールという一面もある」と指摘し、同法と前向きに向かい合うことを勧めた。
 
 同法で台湾企業が最も頭を痛めるのは、「無期限労働契約」の存在だ。企業は勤続10年以上または、期限付き労働契約を2回以上結んだ従業員と無期限労働契約を結ぶことが義務付けられている。

 蕭総経理は無期限労働契約が解雇不可能の契約と誤解されている面があるが、従業員が業務を遂行できないときや不正が発覚したとき、企業経営に著しい困難が生じたときなどには契約を解除できる点を説明した。