ニュース 医薬 作成日:2020年5月7日_記事番号:T00089823
ワクチン製造の国光生物科技(アディミューン)は6日、同社が開発した新型コロナウイルスのワクチン候補4種類について、実験用マウスを使ったテストで有効性が確認されたと発表した。8月にもヒトでの第1相臨床試験を開始、早ければ来年秋〜冬に量産入りし、市民への接種が実現する見通しだ。中央流行疫情指揮中心(中央流行疫情指揮センター)は、開発が完了後、公費買い上げで医療関係者やハイリスク群から優先的に接種する方針だ。海外メーカーの開発が完了しても輸入品は不足が予測されるため、台湾域内での開発が急務となっている。7日付自由時報などが報じた。
国光生技の詹啓賢董事長(左3)は、ヒトへの病原性のある全く新しいワクチンの開発のため、技術面と安全面での困難が付きまとうと指摘した。左2は張教授(6日=中央社)
同社は1月から開発に着手しており、このほど同社の組み換えタンパク質ワクチン候補4種類について、台湾大学医事検験・生物技術学系の張淑媛教授の研究チームが行ったワクチンの有効性を確認する中和試験で、マウスの血清とウイルスの反応物を細胞に添加したところ、血清抗体を1,280倍希釈しても、9割以上の抑制効果があることが確認された。
まず、5〜10月にかけて、動物実験でワクチンの毒性試験を行う。開発スピード加速のため、有効性と安全性が担保されれば、緊急特例によりヒトでの第1相臨床試験に入れるよう、同社は既に、衛生福利部食品薬物管理署(TFDA)や財団法人医薬品査験中心(CDE)との協議を済ませている。
その後、12月にも試験量産を開始し、来年の第2相、第3相臨床試験完了を経て、来年第4四半期の販売を目指す。海外向け供給も視野にある。
中研院・国衛院・高端疫苗が開発中
中央研究院(中研院)では、開発を進めるワクチン候補4種類については既に毒性試験が完了しており、中和試験の結果も近日中に公表される予定だ。5〜6月には、動物での攻撃試験に入る予定だ。
国家衛生研究院(国衛院)は、ワクチン候補20種類のうち、半分ほどで中和試験での抑制効果が認められており、今月中に動物での攻撃試験に入る予定だ。
この他、高端疫苗生物製剤(メディゲン・ワクチン・バイオロジクス)が米国立衛生研究所(NIH)と提携して行っているワクチン開発では、3月初めにワクチン候補を使った動物実験が始まった。早くて5月末にも完了し、6月の臨床試験入りを目指す。
感染者の少なさ、開発ネックか
台湾児童感染症医学会の李秉頴理事長は、国光生技のデータはワクチン候補に確かに抑制効果があると示しているが、どれだけウイルス量を抑制できるかは、さらなる検証が必要と指摘した。また、動物実験やヒトへの接種で重大な副作用が確認されないか、台湾で大量の生産能力を賄えるかといった懸念もある。
李理事長はまた、台湾では新型コロナウイルスの感染者が少ないため、臨床試験で十分なサンプルを確保することが困難で、大規模な感染拡大が起こっている国との協力が不可欠と指摘した。
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