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総統就任記念コイン、歴代最高の販売価格


ニュース 社会 作成日:2020年5月7日_記事番号:T00089839

総統就任記念コイン、歴代最高の販売価格

 台湾では総統および副総統が就任する際に中央銀行(中銀)が記念硬貨を発行する。中銀は6日、蔡英文氏が今月20日に2期目となる第15代総統に就任することを記念する金貨と銀貨のインターネット予約の受け付けをきょう7日午前10時より開始すると発表した。金貨の額面は2,000台湾元(約7,100円)だが、金相場上昇に伴い、販売価格は5万6,000元と歴代最高となる。

/date/2020/05/07/19coin_2.jpg施発行局長は、蔡総統は台湾初の女性総統という歴史的な意義があり、コレクション価値も高いと強調した(中銀リリースより)

 中銀が発表した記念硬貨のデザインは、表に笑みを浮かべた蔡総統と頼清徳次期副総統の胸像を刻印し、裏に中華民国国花の梅や英文をあしらったもので、それぞれ1オンスの金と銀が含まれる。発行枚数は金貨が1万枚。銀貨が5万枚で、額面200元、販売価格1,600元。

 台湾銀行(台銀)の専用サイト(https://coinset.bot.com.tw)を通じて12日正午までにネット予約が可能なのは、金貨が7,000枚、銀貨が3万5,000枚。残りは20日以降に台銀の各支店で販売される。新型コロナウイルス感染拡大の懸念からネット販売に重心を置いた格好だ。

 記念金貨の価格が歴代最高となったことについて中銀の施遵驊発行局長は、最近の金価格は1オンス当たり1,700米ドルを突破しており、これに鋳造費用を加えれば今回の販売価格になると説明した。その上で総統・副総統の就任記念硬貨は、民主的な選挙を記念するという意義があり、営利目的ではないと強調した。

 歴代総統の記念金貨の販売価格は、▽李登輝総統3期目(1996年)、1万8,500元▽陳水扁総統1期目(2000年)、1万5,000元▽陳総統2期目(04年)、1万6,000元▽馬英九総統1期目(08年)、3万2,000元▽馬総統2期目(12年)、5万4,000元▽蔡総統1期目(16年)、4万8,000元──となっており、陳総統1期目と比べると販売価格は3倍以上に上昇している。

 硬貨や紙幣の売買を手掛ける業者によると、総統就任記念金貨は将来的に価値が高まる可能性はほぼなく、売買の利益は完全に金相場の変動に左右される。初めて総統に就任する1期目の記念金貨は「ご祝儀相場」で購入者が多くなるが、新鮮味が薄れる2期目は購入熱が冷めるため、今回は売れ残りが出る懸念もある。