ニュース 電子 作成日:2020年5月8日_記事番号:T00089845
液晶パネル大手、友達光電(AUO)は7日、電子看板(デジタルサイネージ)事業と、現金自動預払機(ATM)や販売時点情報管理(POS)端末など向けの汎用(はんよう)ディスプレイ事業をスピンオフ(分離・独立)し、100%出資の新会社、達擎を設立することを董事会で決定した。2021年1月1日の予定。中国メーカーが台頭し、韓国メーカーが液晶撤退を進める中、AUOは5年来の高付加価値化をさらに前進させた。8日付経済日報が報じた。
6月17日の株主総会で正式に決定する。資本金は3億6,800万台湾元(約13億円)の予定。達擎の董事長、総経理は、彭双浪(ポール・ポン)AUO董事長と柯富仁総経理がそれぞれ兼任する。達擎は電子看板と汎用ディスプレイの研究開発(R&D)、販売、カスタマーサービスを担う。
両事業の2019年売上高は349億4,000万元と、AUO全体の13%を占めていた。
電子看板事業は、スマートリテール(小売り)、交通、教育分野での▽高解像度▽高輝度▽高コントラスト比▽低反射▽超狭額縁(ナローベゼル)──の長方形や正方形、丸型などの各種ディスプレイの他、TARTANディスプレイ技術によるカスタマイズ設計、屋外の強い日差しの下など過酷な環境にも耐えられる産業用ディスプレイにも対応する。
汎用ディスプレイ事業は、▽キオスク(自立式の小型情報端末)▽産業用コンピューター(IPC)▽航空機の機内エンターテインメント端末▽船舶用ディスプレイ▽個別化医療(プレシジョン医療)──などを応用先とする。
AUOは、AIoT(人工知能+モノのインターネット)など新技術の活用で、さまざまな分野のデジタル転換を支援し、さらなる戦略提携が見込めると期待感を示した。達擎の上場も視野にある。
一方、同業大手の群創光電(イノラックス)も今年3月、車載用ディスプレイ事業をスピンオフし、群豊駿科技(カーUX・テクノロジー)を設立している。
中国勢、世界シェア55%
液晶パネル業界では昨年、中国の京東方科技集団(BOEテクノロジーグループ)が韓国のLGディスプレイ(LGD)を抑えて、初めて出荷枚数と出荷面積の世界首位となった。
BOEは今年第1四半期の出荷枚数1,133万枚で前年同期比22.5%減ながら首位を維持。2位はTCL華星光電技術(CSOT)が1,080万枚で4位から浮上した。中国メーカーのシェアは55%と過半を占め、韓国勢はシェア21%に縮小した。
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