ニュース 社会 作成日:2020年5月8日_記事番号:T00089869
台湾の新型コロナウイルス流行への対応が世界的に高い評価を受ける中、感染症対策本部、中央流行疫情指揮中心(中央流行疫情指揮センター)を率いる陳時中衛生福利部(衛福部)長はこのほど、蘋果日報のインタビューに応じ、感染拡大防止の任務において判断を誤れば危機に陥っていた重要な関門を3度くぐり抜けたと語った。
連日の記者会見時の陳部長。インタビューでは、最後には遺憾なく晴れがましい気持ちで任務を終えたいと語った(中央社)
陳部長は、今回の新型コロナウイルス対策において最初に迎えた重要な関門は昨年12月31日、中国・湖北省武漢市から台湾に到着する航空機に衛福部疾病管制署(CDC)の係官を乗り込ませ、乗客に健康状況の確認などを含む検疫手続きを開始したことと指摘した。
陳部長は当時を振り返り、武漢市で原因不明のウイルス性肺炎が発生しているとの情報が伝えられ、警戒を強めていたが、「実際のところどのような対策が有効かは分からなかった」と認め、最終的に荘人祥CDC副署長からの提案で航空機に乗り込んでの検疫手続き実施を決めたことが後の防疫で重要な鍵を握ったと語った。
第2の関門について陳部長は、2月6日にいち早くマスクの実名制(本人確認)販売を導入したことを挙げた。1月21日に台湾初の感染者が確認された上、春節(旧正月、2020年は1月25日)の連休でマスクの生産が止まるという状況の中、3,000万枚の備蓄を市場に供給したが、まったく需要に追い付かなかったことから、すぐに実名制導入を発表した。その後、政府主導で増産体制を確立し、安定供給を確保したばかりか、今や海外に寄贈するまでになっている。
第3の分岐点は2月15日、台湾で初めて新型コロナウイルスへの感染が原因で死者が出た場面だ。死亡した60代男性(第19例)は、いわゆる白タクの運転手で出境歴はなく、感染経路も不明だったことから「市中感染」拡大の懸念が強まり、指揮センター内では一気に緊張感が高まった。幸い、この男性が居住する彰化県の衛生局長が感染症対策に豊富な経験があり、流行が爆発的に拡大することはなかったと指摘した。
こうした重要な関門を乗り越え、台湾では最近、新たな域内感染確認ゼロが続くなど、流行が終息へと向かう兆しが見えている。防疫任務がうまくいっている理由について陳部長は、優れたチームが存在すること、および長年積み重ねた経験があるためと強調した。
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