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アップル、竹科にミニ・マイクロLED新工場か(トップニュース)


ニュース 電子 作成日:2020年5月11日_記事番号:T00089872

アップル、竹科にミニ・マイクロLED新工場か(トップニュース)

 アップルが新竹科学園区(竹科)龍潭科学園区(桃園市龍潭区)に新工場「龍三廠」を設置し、次世代ディスプレイ技術、ミニ/マイクロ発光ダイオード(LED)の研究開発(R&D)拠点と生産ラインを設置するようだ。投資額は100億台湾元(約360億円)、台湾のLED最大手、晶元光電(エピスター)や液晶パネル大手、友達光電(AUO)が提携するとみられる。スマートフォンiPhoneやタブレット端末iPadに採用されれば、日韓企業が独占してきたアップル製品のディスプレイ技術に、台湾勢が初めて関わることになる。11日付経済日報が報じた。

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 科技部竹科管理局は10日、龍三廠の建設計画が審査を通過し、登記が完了したことを認めた。詳細については明かせないとした。初期投資額は数十億元とされる。

 アップルは2014年龍潭科学園区に実験施設を設置した。15年当時、アクティブマトリックス式有機EL(AMOLED)パネルやマイクロLED、指紋認証など最先端技術に関する研究開発を進めていると報じられた。登記はアップル台湾支社で、住所は龍潭区龍園十路55号。龍三廠はこの実験施設に近く、龍園八路88号に予定している。

 登記によると、龍三廠の責任者はかつてパネルメーカー、統宝光電(10年に群創光電が吸収合併)、中華映管(CPT、19年に廃業)で主管を務めた張世昌氏。研究開発チームは、台湾籍のエンジニアが約200人で、AUOからの引き抜きも多いとされる。消息筋は、龍三廠の計画は極秘扱いで、アップルが海外からも研究開発者を派遣しており、重視していることがうかがえると指摘した。

 業界関係者によると、アップルはマイクロLEDが最終目標だが、技術的な難易度が高いため、まずミニLEDを導入するようだ。iPhoneに現在採用している液晶ディスプレイ(LCD)や有機EL(OLED)より省電力で、薄型化が図れる。マイクロLEDなら消費電力はLCDの10分の1で、有機ELに近い彩度を実現できる。

エピスター「ミニLED順調」

 アップルは提携先に口止めしているようだ。龍三廠についてエピスターは、よく分からないが、同社のミニLEDソリューションは順調に進んでいると説明した。

 AUOは、戦略パートナーと緊密な協力関係を続け、先進ディスプレイ技術でリードしていくと表明した。

 AUOは先月下旬、錼創科技(プレイナイトライド)と共同開発したマイクロLEDフレキシブルディスプレイを発表した。ミニLEDでは、昨年末に顧客がAUO製品を採用した17.3インチの4Kゲーム用(ゲーミング)ノートパソコンの量産に入ったほか、今年第3四半期に27インチ、32インチのクリエーター向けおよびゲーミングノートPCが発売される見通しだ。

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