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《新型肺炎》観光刺激策、20日より域内団体旅行モデル推進(トップニュース)


ニュース 商業・サービス 作成日:2020年5月13日_記事番号:T00089926

《新型肺炎》観光刺激策、20日より域内団体旅行モデル推進(トップニュース)

 台湾域内の新型コロナウイルス感染症流行状況が安定したことを受け、交通部の林佳龍部長は12日、域内団体旅行振興のモデル事業「防疫旅行」を、蔡英文総統が2期目に就任する20日以降に始動すると発表した。旅行業界関係者5万人に下見として参加してもらい、グループツアーでの感染対策ノウハウを学んでもらうとともに、感染対策を市民にアピールする。感染症流行状況がさらに安定すれば、1~3カ月後にも市民の参加する「安心旅行」を始動し、観光業の振興と内需刺激を図る考えだ。13日付中国時報などが報じた。

/date/2020/05/13/00top_2.jpg12日の会見で、陳衛福部長は37日間連続でつけていたマスクを外し、アクリル板の設置での感染対策に切り替えた。社会的距離(ソーシャルディスタンス)を保つ必要はあるものの、域内感染ゼロが続いており、市中は安全との見方を示した(12日=中央社)

 台湾での域内感染の新規確認は、4月12日に55人目が確認されて以降、5月13日まで31日連続でゼロを記録した。

 観光産業復活のため、交通部は先週、旅行業界団体と専門家から意見聴取し、▽防疫旅行▽安心旅行▽出入境の開放──の3段階で観光振興を進める方針を固めた。予算計40億台湾元(約140億円)を投入する方針だ。

 第1段階の「防疫旅行」には3億元を計上する予定で、旅行業界関係者5万人に業務が減っている間の研修として参加してもらい、宿泊業者・飲食業者も含め「防疫旅行」の浸透を図る。医療関係者の参加も検討する。

 交通部の初期計画によれば、「防疫旅行」では観光バス1台当たりの乗車人数を最大20人余りとし、座席を交互に空ける「梅花座」方式で座る。食事は個人用セットやビュッフェ形式を念頭に、やむを得ずテーブル料理とする場合は1テーブル10人席の場合5人に制限し、取り箸を使うことを求める。宿泊施設は1人1室または2人1室とする。体温測定、滞在場所の消毒など感染対策も徹底する。

 旅行行程の企画を担当する中華民国旅行商業同業公会全国聯合会の蕭博仁理事長は、台湾全土から場所を選定し、▽中央山脈▽小鎮(地方の集落)▽海辺▽遊歩道・サイクリングロード──を取り込みたいと説明した。▽坪林区(新北市)▽陽明山(台北市)▽豊原后里の鉄道廃線跡(台中市)──を候補として挙げた。

 中央流行疫情指揮中心(中央流行疫情指揮センター)が認めれば、市民の参加する第2段階の「安心旅行」推進の段階へと移る。振興商品券など、既に域内旅行向けに20億元の予算が計上されているが、増額も検討する。

 交通部観光局の構想では、団体旅行では1人1室当たり600元を補助、2泊3日以上や離島旅行の場合は600元を追加、個人旅行では1室当たり1,000元を補助、離島旅行の場合は1,000元を追加する。

感染抑制国との連携も

 第3段階の海外からの観光客を受け入れる段階では、感染症の流行が抑制されている国・地域との間で「旅行連盟」を結成し、共同で海外旅行を推進することを検討する。

 一方、芸術・文化活動の再開について、同センター指揮官の陳時中・衛生福利部(衛福部)長は、6~7月にも可能との見通しを示した。文化部は、国家両庁院(国家戯劇院、国家音楽庁)などのチケット販売数を座席数の半分にするか、仕切り板を設ける方式で対応する方針だ。