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《新型肺炎》製靴最大手PCG、湖北工場閉鎖で4千人削減(トップニュース)


ニュース その他製造 作成日:2020年5月14日_記事番号:T00089949

《新型肺炎》製靴最大手PCG、湖北工場閉鎖で4千人削減(トップニュース)

 製靴世界最大手、宝成国際集団(PCG)が中国湖北省の工場を先週閉鎖し、一般社員4,000人余りの解雇を進めている。台湾人幹部や中国人幹部など約1,000人は異動させる。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で、消費者が靴を買うために外出することが減っており、同社顧客のナイキやアディダスが欧米の店舗を休業。東京五輪など国際スポーツイベントの延期・中止も相次ぎ、受注見通しが立たないためだ。14日付経済日報が報じた。

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Q2受注、5割減か

 業界の観測によると、PCGの主要顧客は第2四半期の発注を4~5割削減した。また通常は、国際ブランドから次の四半期の発注予定を受け取っているが、今年第3四半期は「未定」となっている。

 PCGは、湖北工場の出荷量は同集団全体の2%未満で、既存受注は他の工場に生産を移管することに顧客が合意しており、大きな影響はないと説明した。湖北工場は近年業績不振が続いており、新型コロナウイルス感染予防のため現地当局に稼働停止を命じられ、解除後も稼働を再開していなかった。

 PCGの世界の従業員数は昨年末で35万1,000人。主な生産拠点はベトナム、インドネシアで、バングラデシュ、カンボジア、ミャンマーにも工場がある。米中貿易戦争を受け、中国工場は輸出中心から中国向け中心に切り替えている。

 宝成工業(PCC)の1~4月連結売上高は807億4,000万台湾元(約2,900億円)と前年同期比22.2%減少し、同期として過去6年で最低だった。

 PCGは5月から12月末まで蔡佩君執行長を含む副総経理以上の幹部は10~30%の減給としているほか、6月から12月末までの「減班休息」(景気を理由とした労働時間削減。いわゆる「無給休暇」。実際には有給を含む)を決定している。来週、台中市政府に計画を届け出る予定だ。

3足に1足は台湾系メーカー製

 靴の3足に1足は台湾企業や台商(海外で事業展開する台湾系企業)が製造しているとされる。台湾の製靴業は研究開発(R&D)、設計、原材料、受託生産まで世界に3,000以上の工場があり、顧客と緊密な関係のサプライチェーンを構築している。

 製靴業界では、世界2位の中国の宏福実業集団も3万人の人員削減を行うとの観測が浮上している。主な顧客はアディダス、プーマ、コンバースなど。

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