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媽祖巡行の顔役が肝移植成功、執刀医は日本の小説のモデル


ニュース 社会 作成日:2020年5月14日_記事番号:T00089970

媽祖巡行の顔役が肝移植成功、執刀医は日本の小説のモデル

 媽祖像を乗せた神輿(みこし)を信徒が担ぎ、約340キロメートルを練り歩く台湾有数の宗教イベント「大甲媽祖遶境」を主催する台中市の道教廟(びょう)、大甲鎮瀾宮の顔役として知られる顔清標氏(59)がきのう13日、高雄市の病院で息子からの生体肝移植手術を受け、無事に成功した。

/date/2020/05/14/19kakomi_2.jpg陳医師(中)は、台湾で初めて生体肝移植を成功させるなど多くの実績を持つ(13日=中央社)

 現在、大甲鎮瀾宮の董事長を務める顔氏は若い頃、父親の跡を継いで砂利販売などの事業に従事したが、20歳過ぎで政治の世界に入り、基礎行政単位である里の長からスタートし、旧・台中県議会議長を経て立法委員まで上り詰めた経歴を持つ。

 そんな顔氏が今年3月、健康診断を受けたところ肝臓に腫瘍が発見され、医師から移植手術を受けることを勧められた。その後、家族に対し肝臓提供者(ドナー)としての適合検査が行われ、次男の顔仁賢氏(37)が提供者としてふさわしいことが判明。仁賢氏も提供に同意した。

 顔氏は、日本のベストセラー小説『孤高のメス』(大鐘稔彦著)の登場人物のモデルとなったことでも知られる生体肝移植手術の権威、陳肇隆医師に執刀を任せることを決め、11日に同医師が名誉院長を務める高雄市の高雄長庚紀念医院へ息子とともに向かった。

 顔氏は高血圧、高血中脂質、C型肝炎、睡眠時無呼吸症候群といった病歴に加え、これまでに急性心不全で手術を受けたこともあり、手術は心臓の専門医が待機する中で行われた。午前9時17分から始まった手術は10時間以上経過した午後7時30分ごろまでかかったが、執刀を終えた陳医師は「手術は非常に順調に終わった」とコメントした。

 顔氏は腫瘍が発覚する直前の2月、新型コロナウイルスの感染が拡大する中で、当初は大甲媽祖遶境を強行する姿勢を見せていたが、延期を決断。年内の実施を目指しており、顔氏の順調な回復が待ち望まれる。