ニュース 電子 作成日:2020年5月15日_記事番号:T00089973
ファウンドリー最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は15日、米アリゾナ州に最先端の5ナノメートル製造プロセス新工場を設置すると発表した。2021年の着工、24年の量産開始を予定し、29年までの設備投資額は120億米ドルに上る。米中貿易戦争や新型コロナウイルス感染症流行の中、米政府は安全保障上の懸念から、台湾や中国、韓国の半導体産業への依存度を引き下げたい意向とされ、米連邦政府とアリゾナ州政府双方の支持の下、TSMCの米国での先進半導体製造が実現することになる。中央社電などが伝えた。
TSMCは、台湾での3ナノ量産を22年下半期に計画しており、台湾が引き続き最先端を走ることに変わりはない(YSN)
新工場の月産能力は2万枚。雇用機会1,600件以上を創出する見通しだ。TSMCは、台湾での5ナノ製品生産をここ数カ月で始めたばかり。5ナノは、半導体の回路線幅の微細化で現行の最先端で、エネルギー効率の高いチップを生産できる。TSMCは、新工場設置で米側から補助金が得られる可能性もある。
ブルームバーグ・オピニオンのコラムニスト、ティム・カルパン氏は先ごろ、米中対立の中で、TSMCが中立の立場を保っていることが米国新工場の設置に有利に働くと分析していた。スマートフォンiPhoneのアップルなど、顧客の多くが近隣のカリフォルニア州に集中していることも、アリゾナ州が選定された理由とみられる。
TSMCは、ワシントン州キャマスに工場1基を擁するほか、テキサス州オースティン、カリフォルニア州サンノゼに設計センターがある。
ファーウェイ輸出許可に有利か
トランプ政権がTSMCの主要顧客である中国の通信設備大手、華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)に対する半導体供給を制限する規制の強化に乗り出す中、新工場設置によりTSMC側の要求が通りやすくなるとの見方も出ている。
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