ニュース 社会 作成日:2020年5月15日_記事番号:T00089995
今月20日に任期を終えて退任する陳建仁副総統は中央研究院(中研院)へ戻り、疫学者としての研究生活を再開することを決めている。副総統経験者は退任後4年間で2,000万台湾元(約7,200万円)以上の支給を含む「礼遇措置」を受けることができるが、中研院へ復帰した場合、規定によりこれが受けられなくなる。
陳副総統は、自身の学術研究に対する熱意について「名探偵コナンが難解な事件を解決したときのような興奮がある」と語った(14日=中央社)
陳副総統はもともとB型・C型肝炎、小児まひ、肺がんなど台湾人に多い疾病に関する研究で実績を上げたほか、ヒ素中毒研究でも世界的にその名を知られる学者だ。台湾で重症急性呼吸器症候群(SARS)の流行が深刻化していた最中の2003年5月に行政院衛生署(現・衛生福利部)署長に就任して対応に当たり、手腕が高く評価された。
その後は行政院国家科学委員会(現・科技部)主任委員を経て、11年から同院の副院長を務めていた。そして15年、民進党の総統候補だった蔡英文氏から副総統候補に指名されて出馬し、見事当選。16年から現在まで4年の任期を務めた。
陳副総統によると今年1月、蔡総統が頼清徳氏を副総統候補として再選を果たした直後に中研院から特別招へい研究員として復帰しないかとの打診があった。学究生活に戻りたいとの強い気もちが湧き起こり、受けることを決めたという。
退任した総統・副総統に対する礼遇に関する条例によると、陳副総統は今後4年間、毎月18万元の礼遇金や計1,300万元の事務所費用、人件費、医療費などを受け取ることができる。しかし、公職に就いた場合は同措置を受けることができない。
礼遇放棄の決断について陳副総統は14日、メディアとの懇談会で「学術研究こそ私が人生で最も愛すること」と語り、「人間が一定の年齢に達すると給料は重要な問題ではなくなり、一番好きなことをやり続けることが大切」と説明した。
退任するに当たり陳副総統は「1本のろうそくのように自らを燃やして台湾を照らしたい」と語った。「今日の台湾が輝けるのは2,370万の人民が2,370万本のろうそくのように光を発しているからだ」と述べ、台湾が新型コロナウイルス感染の抑え込みに成功していることについて「台湾の人々からの最高の退任祝いだ」と感謝の意を示した。
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