金融監督管理委員会（金管会）は19日、金融機関８社に合計2,580万台湾元（約9,300万円）の罰金処分を下した。顧立雄主任委員にとって、蔡英文政権２期目で国家安全会議（国安会）秘書長に就任するのに先立ち、任期最終日だった。20日付蘋果日報が伝えた。
顧氏（右）は20日、李大維氏（左）に代わり国安会秘書長に就任した（20日＝中央社）
今回処分を受けた金融機関のうち、▽法国巴黎人寿保険（ＢＮＰパリバ・カーディフ）▽安達人寿保険（チャブ）▽安泰商業銀行▽永豊商業銀行（バンク・シノパック）▽凱基商業銀行（ＫＧＩバンク）▽遠東国際商業銀行（ファーイースタン・インターナショナル・バンク）▽台新国際商業銀行（台新銀）──は、顧客に住宅ローンで資金を借り入れさせた上で、投資型保険商品を購入させるなどの行為が問題となった。また、新光人寿保険は利害関係者による不動産売却入札が規則違反とされた。
顧主任委員は2017年９月に就任後、同年12月に中国信託金融控股（中信金、ＣＴＢＣフィナンシャル・ホールディング）に1,000万元の罰金処分と総経理の停職処分を下したほか、慶富造船に対する不正融資事件で銀行８行に罰金6,400万元の処分を下した。18年４月には遠雄人寿保険事業（ファーグローリー・ライフ）に罰金1,440万元の処分を下し、総経理、董事、経理人らを解任した。
19年には南山人寿保険の顧客情報システムのトラブルに関連し、3,000万元の罰金処分を下すなど、年間の罰金処分が過去11年間で最高の３億元に達した。
顧主任委員が２年８カ月の任期中に下した罰金処分は累計６億元を超え、最近10年間の歴代金管会トップでは最多となった。
