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改憲論議活発化へ、三権分立移行も課題


ニュース 政治 作成日:2020年5月21日_記事番号:T00090078

改憲論議活発化へ、三権分立移行も課題

 蔡英文総統(民進党)は20日、2期目の就任演説で立法院に修憲委員会(改憲委員会)を設置する方針を示し、選挙権年齢を18歳に引き下げることを優先課題に掲げたが、今後は三権分立移行などを含め、憲法改正の範囲を巡る論議が活発化しそうだ。21日付自由時報などが伝えた。

 憲法改正を巡り、与野党は現時点で選挙権年齢を18歳に引き下げる点でのみ一致している。また、中華民国独特の「五権分立体制」を世界的に主流の三権分立体制に移行しようという議論もある。民進党は主権問題で現状維持路線を取っているが、外界には民進党が国号変更や領土変更などに踏み込み、「法理台独」(法理上の台湾独立)を目指すのではないかとする見方もくすぶる。

 民進党議員団の柯建銘総召集人は、立法院の次の会期で修憲委員会が設置されるとの見通しを示す一方、一票の格差是正、三権分立移行に向けた考試院、監察院の廃止を盛り込んだ憲法改正案を提出することにも意欲を示した。

 ただ、民進党幹部はデリケートな「法理台独」問題については、「あり得ない」「蔡総統が述べたように、憲法と両岸人民関係条例(台湾地区与大陸地区人民関係条例)に基づき両岸(中台)問題を処理する」と述べ、慎重な立場を示した。

 国民党議員団の林為洲総召集人は、「国家体制を五権分立から三権分立に移行することにはオープンな態度だ」と述べ、与党との協議に応じる姿勢を見せた。

 憲法改正のハードルは高く、立法委員の4分の1以上による憲法改正案の発議を経て、4分の3以上の立法委員が出席し、出席議員の4分の3以上の賛成で可決された後、住民投票に進む手順となる。改憲論議が順調に進んだとして、早ければ2022年の統一地方選と同時に住民投票が実施される可能性がある。