ニュース その他製造 作成日:2020年5月22日_記事番号:T00090104
工業技術研究院(工研院、ITRI)が21日発表した製造業の2020年生産額予測は18兆5,900億台湾元(約67兆円)で前年比5.05%減と、19年の4.47%減に続き、2年連続マイナス成長の見通しだ。16年の18兆8,100億元をも下回る。工研院は、原油安、新型コロナウイルス感染症の流行による世界景気の腰折れが大きく響くとしつつ、巣ごもりや非接触「ゼロ接触」の新たな生活スタイルが商機を創出すると指摘した。22日付工商時報などが報じた。
工研院産業科技国際策略発展所(産科国際所)の蘇孟宗所長(中)は、今年の台湾の製造業は新型コロナウイルス感染状況の影響を回避することはできないと指摘した(工研院リリースより)
工研院は、新型コロナウイルス感染拡大を受け、各国・地域で国境・都市封鎖措置が取られ、経済活動が停滞したと指摘。生産活動は滞り、サプライヤーの調達が先送りされ、市民の消費活動も抑制されたと説明した。原油価格も昨年より大幅に下落し、追い打ちをかけた。
化学工業、16%減少
工研院の予測によると、原油価格の暴落により、化学工業の20年生産額は3兆8,100億元で前年比16.36%減少する見通しだ。
金属機電の20年生産額は5兆2,400億元で前年比4.62%減と予測した。世界で建設、自動車、機械設備の需要が弱まり、粗鋼生産量が減少、原材料価格が下落する中、台湾の鉄鋼製品、自動車部品、機械設備の販売に打撃を与えるとみている。
民生工業の20年生産額は2兆4,400億元で2.69%減と予測した。新型コロナウイルスで、市民の外出が減っているほか、3月中旬より外国人の入境が原則禁止され、訪台観光客が激減したことで、台湾の小売り、飲食店などサービス業の売上高が大幅に減少しているためだ。
情報電子はプラス成長
一方、情報電子の20年生産額は7兆1,000億元で前年比1.1%増と、プラス成長の予測だ。台湾では新型コロナウイルス感染拡大を抑制し、企業の生産活動が続いていることに加え、巣ごもり商機や、人工知能(AI)、第5世代移動通信(5G)などの新たな商機が生まれ、半導体産業が成長を支えている。ただ今後も、新型コロナウイルスの感染状況や、米中貿易戦争の変化が、世界の需要や、サプライヤーの調達に影響をもたらす可能性がある。
工研院は、今後の不確定要素として▽新型コロナウイルスのワクチン開発が成功するまでに第2波到来▽米中貿易戦争の再燃──を挙げ、台湾のサプライチェーンに打撃を及ぼす可能性があると分析した。
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