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政府に隠れてマスク生産、桃園メーカー2千万元荒稼ぎ


ニュース 社会 作成日:2020年5月22日_記事番号:T00090121

政府に隠れてマスク生産、桃園メーカー2千万元荒稼ぎ

 新型コロナウイルスの感染拡大でマスク不足が続いていた2月、政府からマスクの買い上げ要請を受けた桃園市のメーカーが、指定されたマスクは生産していないと報告した上でこっそりと生産を行い、独自のルートを通じて高値で販売して2,000万台湾元(約7,200万円)を荒稼ぎしていたことが明らかとなった。

/date/2020/05/22/19kakomi_2.jpg桃園地検は、家宅捜索でマスク38万枚などを押収した。違法行為があれば、徹底的に責任を追及すると表明した(21日=中央社)

 桃園地方検察署によると、このマスクメーカーは2月13日、衛生福利部(衛福部)から一般の医療用マスクを1枚2.5元で、外科手術用マスクを3元で買い上げると連絡を受けたが、同社責任者(51)は、要請のあった2種類の製品は生産していないと回答した。

 その後マスクの供給不足が深刻化する中、同社は政府から買い上げ要請のあった製品をこっそり生産。1枚14元で大量に販売した。

 市民からの通報を受けた桃園地検は19日、桃園市や台中市の警察と連携して同社や倉庫の家宅捜索を行い、医療用マスク38万枚余り、およびマスク素材の静電フィルター111箱を押収した。20日、同社責任者の取り調べを実施し、防疫物資の価格をつり上げたとして伝染病防治法(感染症予防治療法)などに違反すると判断。保釈金45万元で身柄を保釈した。

 桃園地検によると、政府の衛生当局が指定する医療器具や設備、医薬品などの在庫を正当な理由なく積み増し、市場に供給しなかった場合、「厳重特殊伝染性肺炎の予防治療および救済振興特別条例(防疫特別条例)」違反で5年以下の懲役刑および500万元以下の罰金を科すことができる。また中央流行疫情指揮中心(中央流行疫情指揮センター)設置期間中に当局が買い上げを実施している物資の在庫を積み上げたり、価格をつり上げたりした場合、悪質なケースについては1年以上、7年以下の懲役刑および500万元以下の罰金を科すことができる。

 マスクの実名制(本人確認)販売で世界から高い評価を受ける台湾だが、人が困っている状況に乗じて金もうけをしようと考える者はどこにでもいるということか。