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《新型肺炎》「域内旅行は安全」、端午節ホテル予約9割も(トップニュース)


ニュース 商業・サービス 作成日:2020年5月25日_記事番号:T00090126

《新型肺炎》「域内旅行は安全」、端午節ホテル予約9割も(トップニュース)

 新型コロナウイルス感染症対策本部、中央流行疫情指揮中心(中央流行疫情指揮センター)指揮官の陳時中衛生福利部(衛福部)長は、台湾本島最南端のリゾート地、墾丁(屏東県)を23日から1泊2日の日程で訪れ、感染対策を取りつつ経済活動を正常化に向かわせる「防疫新生活」を実践しながら観光し、台湾「域内は安全」とアピールした。観光地では5月から既に観光客数が回復してきており、屏東県や台東県の宿泊業者の端午節連休(6月25~28日)の予約率は最高9割に達している。25日付蘋果日報などが報じた。

/date/2020/05/25/00chen1_2.jpg陳衛福部長(後右2)らは、台湾最南端の鵝鑾鼻(屏東県恒春鎮)にあるデイケアセンターを訪問し、高齢者と月琴(げっきん)を演奏して交流した(24日=中央社)

 指揮センターは24日、毎日行っている記者会見を初めて台北から墾丁に移して行い、6週間(42日)連続となる台湾域内感染の新規確認ゼロを発表した。会場には▽マンゴー▽バナナ▽コーヒー▽ハタ(石斑魚)▽コチョウラン──など20種類以上の屏東の特産物が並べられた。陳衛福部長は、23日夜には夜市(ナイトマーケット)の墾丁大街を訪れ、市民の熱烈な歓迎を受けた。

 墾丁の五つ星ホテルの端午節連休の予約率は、既に7〜9割に上昇している。屏東県観光協会によると、陳衛福部長が身に着けた花柄のシャツやげたはどこで買えるのかなど問い合わせが多く寄せられており、さらなる観光客の呼び込みに貢献しそうだ。他県市では、黄偉哲台南市長が陳衛福部長に訪問を要請したほか、侯友宜新北市長も歓迎する意向を示している。

 台東県でも観光客数が5月から回復してきており、観光バスで訪れる団体客も多いという。台東県の宿泊施設の端午節連休6月25~27日の予約率は、多くの施設で9割に達した。

 墾丁などの観光地では、清明節連休(4月2~5日)の混雑を受け、社会的距離(ソーシャルディスタンス)に注意するよう指揮センターがスマートフォンの警報通知サービスで注意喚起を行ったことで、観光を控える動きが出ていた。

「安心旅行」、7月に前倒しも

 交通部観光局の観光振興計画では、第1段階の旅行業界関係者が参加する台湾域内の団体旅行振興モデル事業「防疫旅行」が27日にスタートするのに続き、当初8月を予定していた第2段階の市民向けの域内旅行補助プラン「安心旅行」を、感染状況が安定していれば早ければ7月にも始動させたい考えだ。6月初めの交通部の承認後、指揮センターが感染状況を見て、開始日を判断する。

 観光局は「安心旅行」に約39億台湾元(約140億円)の予算を投入する方針で、延べ524万人の参加、190億元の経済効果を見込む。補助額について観光局は、団体旅行では1人1日当たり700元へと当初計画の600元から引き上げるほか、離島旅行は1,200元とする方向で検討している。個人旅行では1室当たり1,000元を原則1回補助する方針で、全土24カ所の観光テーマパークの1回入場無料、台湾観巴(台湾ツアーバス)の旅行プランへの2人参加で1人分無料などを盛り込むことも検討している。

 一方、第3段階となる海外との観光客往来について陳衛福部長は、海外の感染状況は依然深刻で、感染状況の安定まで待つ必要があると慎重な姿勢を示した。