ニュース 電子 作成日:2020年5月26日_記事番号:T00090151
米国の輸出規制強化で窮地に追い込まれた中国の通信設備大手、華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)は、韓国のサムスン電子、SKハイニックスに「安定的なメモリー半導体の納品」を求める交渉に入ったもようだ。ファーウェイは、ファウンドリー世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)の主要顧客だけに、今後の動向に注目が集まる。韓国経済新聞(電子版)などが25日伝えた。
同紙によると、ファーウェイは先週、サムスン電子、SKハイニックスの中国法人関係者を呼び、「米政府の動きに関係なく、安定的にメモリーを供給してもらいたい」と要請したとされる。
メモリーは、米国が9月から実施する対ファーウェイ輸出規制の対象ではないが、同社は米国の規制対象が拡大される可能性を視野に入れているとみられる。サムスンが今月21日、極端紫外線(EUV)技術を採用した5ナノメートル製造プロセスの生産ライン設置に10兆ウォン(約8,700億円)を投資すると表明した点も、ファーウェイがサムスンに接近した理由とみられている。
ファーウェイを巡っては、プロセッサー「麒麟(Kirin)」の次世代製品の14ナノ製造プロセスによる生産を、中国の中芯国際集成電路製造(SMIC)に委託したとも伝えられていた。
懸念されるのはTSMCへの影響だ。26日付中国時報によれば、クレディ・スイスのアナリストは、ファーウェイという大口顧客を失えばTSMCには大きな衝撃となる。ファウンドリー世界最大手の座もサムスンのせいで揺らぎかねないと分析した。現在ファーウェイ向けの半導体受託生産は、TSMCの売上高の14%を占める。
台湾経済研究院(台経院、TIER)の劉佩真研究員は、9月中旬までの猶予期間はファーウェイからの受注に問題はないだろうが、その後は米中交渉の行方を見守る必要があり、11月の米大統領選後にならないと分からないかもしれないと指摘した。
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722