ニュース 社会 作成日:2020年5月26日_記事番号:T00090165
大西洋上で操業する台湾の漁船77隻が今月末から相次いで高雄港に帰還する。これら漁船で働く船員、約4,000人は港に到着した後、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するための隔離措置を受けなければならず、その費用を負担する船主は、政府の補助金では全く足りないと悲鳴を上げている。
高雄市政府は、接岸場所を離すため防疫用の停泊地点11カ所を設け、帰還する漁船を3期に分けて受け入れる計画だ。船内にとどまる必要のある者を除く全ての船員は、下船後ホテルなどの宿泊施設に1人1室の体制で14日間の外出制限措置「居家検疫」を受ける。高雄市政府海洋局によると、居家検疫を受ける船員は6月14~16日にピークを迎える。
交通部や行政院農業委員会(農委会)漁業署など政府からの補助を受けられるものの、居家検疫にかかる費用は原則、船主の負担だ。屏東県の琉球区漁会(漁協)の蔡宝興総幹事は、14日間は全く仕事ができないにもかかわらず、船員に給与に加え、宿泊費や食費も支払わなければならず、政府の補助金では全く足りないと不満を表明した。
海上で3~6カ月過ごして問題は発生しておらず、帰港するまでの30日は外国の港に立ち寄ったり、他の船舶と接触したりしていないため、船員の感染リスクはなく、居家検疫は金と時間の無駄だとの声も出ている。
漁会や船主は、船上での隔離や簡易検査で隔離期間を短縮することも提案したが、漁業署に却下されたという。
中央流行疫情指揮中心(中央流行疫情指揮センター)の荘人祥報道官は、簡易検査は精度に議論の余地があるため当面の採用予定はないと説明した。同センターの陳宗彦副指揮官は、台湾域内の感染リスクゼロを維持するには水際対策が欠かせないとして理解を求めた。
4月9日に帰台した海軍の敦睦遠航訓練支隊で集団感染が発生していたことが後に判明し、市中を訪れた感染者からの2次感染リスクに緊張が走った経験から、政府が慎重になるのは当然だ。とはいえ、船主や船員の負担は大きい。せっかくここまで成功を収めている台湾の感染対策にほころびが生じないよう、双方が納得できる良案を期待したいものだ。
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