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香港の洪瑞珍サンドで食中毒、台湾本家は「無関係」と声明


ニュース 社会 作成日:2020年5月27日_記事番号:T00090196

香港の洪瑞珍サンドで食中毒、台湾本家は「無関係」と声明

 彰化県の老舗ベーカリー・菓子店、洪瑞珍餅店が販売する「洪瑞珍」ブランドのサンドイッチは、生クリームを使用した独特な風味とレトロでかわいらしいパッケージが特徴で、外国人観光客にも人気だ。このほど、洪瑞珍の分家を名乗る香港の「洪家手作」が販売するサンドイッチを食べた客が食中毒の症状に見舞われたことを受け、台湾の「本家」は「香港の店は無関係」とする声明を発表した。これにより親族内の経営トラブルが明らかになった。

/date/2020/05/27/19kakomi_2.jpg台湾での勝訴を表明した洪瑞珍のフェイスブック(FB)の23日投稿には、27日午後3時時点で3,700件に上る「いいね」などが集まった(洪瑞珍FBより)

 洪瑞珍餅店は1947年創業で、その後、家族が台中市や新竹に支店を開設。台北や台南には有名になったサンドイッチを専門に販売する店舗もオープンした。これら店舗で販売されるサンドイッチは同じものではなく、「シンプルで幸せな味」をコンセプトに各店がマヨネーズ、生クリーム、トーストといった食材を独自に調整し、製造しており、それぞれ風味が異なるそうだ。

 ただ「洪瑞珍」の商標については、初代の長男、洪峻声氏が経営する彰化県北斗鎮の本家が使用権を有する。

 今回、食中毒が発生した香港の「洪家手作」は峻声氏のいとこの女性、洪毓姍氏が立ち上げたブランドだ。本家は当初、洪瑞珍の事業は男子に継がせるとの方針から、毓姍氏の創設を認めなかった。だが洪毓姍氏が決意を曲げなかったことから、チェーン展開は不可との条件で同意したという。

 その後、洪毓姍氏は合意に反し、洪瑞珍の2代目を標榜(ひょうぼう)して「洪家手作」ブランドのサンドイッチ店を増やしていったため、本家は2018年に「洪家手作は合法的にライセンスを供与したブランドではない」との声明を発表し、絶縁状を突き付けた。

 さらに今年に入り台湾と香港において商標権の侵害で提訴。台湾では既に勝訴しており、今後、香港でも同様の判決を勝ち取りたい考えだ。

 なお本家は今年8月、正式に香港店の開設を予定しているそうで、台湾の3倍の価格でサンドイッチを販売しながら今回の食中毒事件で150人を超える被害を出した「洪家手作」は窮地に追い込まれそうだ。