誠品が戦略的店舗整理、地域密着店やECを強化(トップニュース)


ニュース 商業・サービス 作成日:2020年5月28日

誠品が戦略的店舗整理、地域密着店やECを強化(トップニュース)

記事番号:T00090199

 書店・雑貨チェーン大手、誠品生活(エスライト・スペクトラム)の呉旻潔(マーシー・ウー)董事長は27日、今年は百貨店高層階や設備面で劣る店舗の閉店に力を入れると表明した。5月末で閉店する24営業時間店舗の敦南店(台北市大安区)を含め、今年の閉店数は7~8店に上る見通しだ。一方で、未出店県市を含む地域に根差した店舗の出店は強化するほか、12月には新たな電子商取引(EC)プラットフォームを立ち上げ24時間以内での配達を行うなど、経営体質の改善を進める方針だ。28日付経済日報などが報じた。

/date/2020/05/28/00eslite1_2.jpg呉董事長(右2)は、閉店を恐れないことは出店ミスを恐れないことと指摘。移植可能な店舗モデルを構築して出店を進め、潜在顧客を獲得したいと説明した(27日=中央社)

 呉董事長は27日、今年は閉店に力を入れることが、体質の改善を図る重要な戦略と説明した。5月末の▽敦南店▽士林店(台北市士林区)▽高医店(高雄市三民区、高雄医学大学附設中和紀念医院内)──の閉店に続き、6月に大直実践店(台北市中山区、実践大学内)を閉店する。下半期にも1~2店を閉店する予定で、百貨店高層階や衰退地区で賃貸契約期限が到来する店舗が候補に挙がっている。同店は今年に入り、台南安平店(台南市安平区)と台東店(台東県台東市)を閉店していた。

 一方、新型コロナウイルス感染症流行の中でも、大部分の地域型店舗や中南部の店舗では影響が限られていたため、未出店県市や行政区で地域型店舗の出店を強化する方針を示した。▽新北市淡水区▽基隆市▽南投県──などが候補に挙がっている。

 また、文化要素や観光を重視した大型店も引き続き強化する方針で、新竹巨城店(新竹市、遠東巨城購物中心=ビッグシティー内)や駁二店(高雄市塩埕区、駁二芸術特区内)での出店契約を更新し改装を実施する。また、新北市新店区で進む自動車大手の裕隆集団の開発計画「裕隆城」では、大型店の出店を予定している。

 誠品生活の昨年純利益は2億3,300万台湾元(約8億4,000万円)で前年比32.7%減だった。

既存ECを大幅刷新

 呉董事長はまた、12月に新たなECプラットフォーム「誠品平台」を立ち上げ、24時間以内の配達サービスを提供すると表明した。書籍や文具など約40万品目を取りそろえる。新たに24時間営業を開始する信義店3階の誠品書店(エスライト・ブックストア)の15万品目を大きく上回る品ぞろえだ。2億元以上を投じ、第4四半期に桃園市平鎮区で倉庫・物流センターの設置が完了する予定だ。

 呉董事長は、現行の誠品インターネット書店は使い勝手が悪く伸びておらず、置き換えを目的として新たに自主開発したと説明した。新型コロナウイルスを受けた対応ではない。呉董事長は、創業者の亡き父、呉清友氏が書店での接客を重視していたこともあり、これまではネット書店の位置付けが不明確だったと指摘。今後は消費動向の分析により顧客ごとにカスタマイズしたサービスを提供し、実店舗と連携した上で不足点を補う形での新たな消費体験を提供していく考えを示した。

 この他、9月に新たな会員制度、新モバイルアプリ、モバイル決済サービス「誠品ペイ」を導入する予定で、会員の囲い込みを図る。

/date/2020/05/28/00eslite2_2.jpg蔡英文総統(右2)は27日午後、閉店予定の敦南店を訪れ、市民とともに思い出に浸りながら別れを惜しんだ(27日=中央社)