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台湾企業の中国資産処分、「現在進行形」=PwC


ニュース その他分野 作成日:2020年5月28日_記事番号:T00090204

台湾企業の中国資産処分、「現在進行形」=PwC

 監査法人のプライスウォーターハウスクーパース(PwC)は27日発表した「2020台湾合併買収(M&A)白書」を通じ、台湾企業が中国国内に保有する資産を売却する動きは「現在進行形」だと指摘した。28日付経済日報が伝えた。

 2019年の台湾上場企業(店頭公開企業も含む)による中国子会社売却案件の上位10件の取引総額は272億8,000万台湾元(約980億円)だった。

 PwC傘下の普華国際財務顧問の翁麗俐執行董事は「台商(海外で事業展開する台湾系企業)による中国大陸資産の処分は単純な中国からの資本引き揚げだけでなく、戦略的な見直しや中国企業との提携への切り替えも含まれている」と述べた。

 金融監督管理委員会(金管会)の統計によれば、台湾上場企業(同)による対中投資は累計で2兆5,100億元だが、米中貿易戦争、生産地の過度の集中などの問題から投資戦略の見直しが進んでおり、累計投資額の19.5%が既に台湾に還流した。昨年の新規対中投資は42億米ドルで、前年を51%も下回った。

台湾M&A、33%減少

 一方、全世界で企業のM&Aが減少傾向を示す中、台湾での昨年のM&A案件は前年比26%減の85件で、金額ベースでは33%減の72億米ドルにとどまった。米中貿易戦争、香港情勢、総統選などの影響で景気の先行きが不透明になり、企業がリスク管理を強化した結果とみられる。

 昨年の代表的事例としては、受動部品大手、国巨(ヤゲオ)による米同業ケメットの買収(16億4,000万米ドル)やマグロ貿易世界最大手、豊群水産(FCFフィッシャリー)による米水産缶詰最大手、バンブル・ビー・フーズ買収(9億2,500万米ドル)などが挙げられる。