ニュース 電子 作成日:2020年5月29日_記事番号:T00090228
ファウンドリー世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は28日、7ナノメートル製造プロセスの自動車用IC設計プラットフォーム(オートモティブ・デザイン・イネーブルメント・プラットフォーム、ADEP)を発表した。自動車への人工知能(AI)推論エンジンや先進運転支援システム(ADAS)の搭載、自動運転車向けで、IC設計の7ナノ製品の研究開発(R&D)・量産を支援する。スマートフォンなど電子製品分野だけでなく、自動車向けでも先進プロセスで業界をリードする構えだ。29日付経済日報が報じた。
同社は、2018年に7ナノ製品の量産を開始し、これまではスマホやAIなど向けに供給していた。一方、自動車向けICは極めて高い安全水準が求められるため、供給実現に向け3つの認証を取得した。このほど、7ナノ初の自動車向けICの生産にこぎ着けたと説明した。顧客名は明かさなかった。
IP・IC製造の認証取得
同社が取得した認証の「ISO 26262」は車載電子システムの機能安全についての国際規格で、標準部品、汎用(はんよう)入出力(GPIO)、SRAM用シリコンIP(知的財産)が対象となる。
「AEC−Q100」は自動車向けICの信頼性試験の規格で、同社はこのグレード1(使用温度範囲:マイナス40~プラス125度)を取得した。
同社は、この2つの規格取得により、顧客に対する品質保証を手厚くしたほか、設計ツールや他社のシリコンIPプロバイダーの支援も完備し、市場での差別化を図ることができるとした。
この他、自動車産業に特化した品質マネジメントシステムに関する国際規格「IATF 16949」を取得した。同社は、自動車部品の耐用年数長期化を支援するため、自動車サービスパッケージを提供する。製品不良をゼロにする「ゼロディフェクト(ZD)」の考えを取り入れ、自動車部品に求められるDPPM(出荷100万個当たりの不良チップ数1個未満)を達成する。
侯永清・研究発展組織技術発展シニア副総経理は、ADASや自動運転車の出現で高効率な演算能力が必要不可欠になっており、AI推論エンジンは道路・交通情報をセンサーで感知して、ドライバーの素早い判断をサポートしていると指摘。7ナノ量産の豊富な経験と設計エコシステムの完備で業界をリードしており、顧客のイノベーションを支援していくと強調した。
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