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《新型肺炎》離島で海外旅行気分、4倍に成長(トップニュース)


ニュース 商業・サービス 作成日:2020年6月3日_記事番号:T00090301

《新型肺炎》離島で海外旅行気分、4倍に成長(トップニュース)

 新型コロナウイルス感染症の台湾域内での流行は収束したものの、海外旅行の催行などは解禁されていないため、個人・団体旅行とも海外気分が味わえる離島が人気を呼んでいる。旅行会社最大手の雄獅旅行社(ライオン・トラベル・サービス)によると、離島の澎湖県行きは1日当たり400~500人以上と、前年同期の4倍以上だ。既に航空券や宿泊施設の予約が取りづらくなっている。7月からの夏休みシーズンに個人負担額の3倍の消費ができる振興券「三倍券」政策や域内旅行補助プラン「安心旅行」政策の利用が始まれば、台湾域内の旅行市場が活況を迎えそうだ。3日付経済日報などが報じた。

/date/2020/06/03/00penghu2_2.jpgカヌーで島渡りに挑戦する澎湖の高校生ら。台湾各地の美しい観光資源が見直されそうだ(中央社)

 雄獅旅行社は、1日当たり400~500人以上を澎湖県に送り出しており、新型コロナウイルス感染症流行が深刻だった3月の約7倍と説明した。7月も倍単位で予約が伸びており、航空券も取りづらくなっているという。

 旅行サイト大手の易遊網(ezトラベル)によると、離島の中でも澎湖県が人気で、夏休みの宿泊施設予約率は、平日で約7割、休日で約9割に達している。今年は例年4~6月に開催される「澎湖花火節」が7月6日~9月3日(毎週月・木曜日)に延期されており、夏の潮風に吹かれながらロマンチックなひとときを過ごすことができそうだ。

 ezトラベルは、台湾域内旅行に関連する宿泊施設予約は、前年同期の4倍以上に達しており、7月は予約が取りづらくなっていると説明した。

 旅行業界関係者は、「しばらく鳴らなかった電話がようやく鳴り始めた」と喜びをあらわにした。澎湖県の宿泊施設の収容能力は1日約2万人で、今年の夏休みシーズンの観光客数は過去最高を更新しそうだ。

離島線の増便相次ぐ

 離島への航空路線の搭乗率も回復しており、航空会社は相次いで増便や大型機への変更を行っている。

 中華航空(チャイナエアライン)傘下の華信航空(マンダリン航空)の馬公(澎湖県)線の6月平均搭乗率は、8割以上に回復した。同社は同路線で一部便の使用機材を定員70人の機体から定員104人の機体へ切り替えたほか、7月からは1日20便以上へと現在の14便から増便させる。金門線の平均搭乗率も7割に回復した。

 長栄航空(エバー航空)傘下の立栄航空(ユニー航空)の離島路線の5月平均搭乗率は、▽澎湖線、74%▽金門線、77%▽馬祖線、85%──と、4月平均の6割から上昇した。同社は6月の澎湖、金門線の増便を決定しており、澎湖線は1日7~8便から15便へと増便する。このうち数百便はより大型のエアバスA321で運航する。計5万席以上が増加する。また、馬祖線は使用機材に制限があるため、増便により2万5,000席以上増やす。エバー航空直営旅行社の長汎仮期(エバーファン・トラベル・サービシズ)も、複数の旅行プランを企画し、高級客層に注力している。

 交通部民用航空局(民航局)によると、マンダリン航空とユニー航空の台湾域内路線の6月の運航便数は6,100便へと前月比約1,000便増加、座席数は44万席へと18万席増加する。7月にはさらに2,500便の増便が見込まれる。両社は、親会社から需要が落ち込んでいる近距離路線向け機材の転用が可能なため、随時大型機へと機材変更する構えだ。