ニュース 社会 作成日:2020年6月5日_記事番号:T00090357
苗栗県には台湾のみならずアジアで最も古く、世界でも2番目に古いとされる油田が存在する。同県政府は地元の石油採掘に関わる施設の修復、保存に努めているほか、その歴史や文化を後世に伝えるプロジェクトを進めている。今月20日、1960年に掘削された「106号油井」をテーマとする舞台劇が上演される。
舞台劇を通じて観客も昔日の石油採掘現場にタイムスリップし、この地区が誇る世界的な石油採掘業の歴史文化資産を知ることができる(文化観光局リリースより)
苗栗県公館郷の「出磺坑」と現在呼ばれる地域では、清朝時代の1800年代初めに油田の存在が確認され、1877年に専門の機器を使った本格的な原油の採掘が始まった。
日本時代に入ると、1900年代から設備の近代化が進められた。27年には原油の採掘量が2万キロリットルを超え、ピークを迎えた。
その後採掘量は徐々に減少していったが、戦後、日本側から出磺坑油田の経営権を引き継いだ、台湾中油(CPC)の前身である中国石油は60年ごろに新たな油層を発見。「106号」と名付けられた新しい油井(原油を採掘するための井戸)を通じて原油の採掘が行われた。
90年に公館郷にオープンした、一般向けに台湾における出磺坑油田関連の資料を展示し、歴史を紹介する「台湾油礦陳列館」の公式サイトには、同油田は「現在も生産を続ける世界最古の油田」と記されている。ただ産業としては既に衰退しており、苗栗県政府文化観光局は石油採掘業の歴史保存と関連施設の有効利用を進めるためのプロジェクトを立ち上げた。
同プロジェクトを通じて文化観光局は今回、苗栗県に拠点を置く演劇グループ、EX-亜洲劇団(EX-シアター・アジア)と協力し、石油採掘業の歴史をテーマとする舞台劇『106号油井』の制作、上演を決定。今月20日午後4時から陳列館前の広場で初演を迎えることとなった。
自身の父親も中国石油の社員として106号油井の開発に関わったという同劇団の林浿安団長は、今回の作品はフィールドワークと歴史考証、稽古に半年以上をかけて完成させたと説明。舞台を通し、多くの人々が時空を超えて共有する感情を喚起したいと語った。
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