ニュース 政治 作成日:2020年6月8日_記事番号:T00090382
韓国瑜高雄市長(国民党、62)のリコール(解職請求)の賛否を問う住民投票が6日行われ、賛成圧倒的多数で成立した。県市長のリコール成立は初めて。2018年11月の統一地方選挙で、景気の良い公約を掲げて「韓流」ブームを巻き起こし、民進党の地盤の高雄市で当選を果たしたが、公約を破り今年1月の総統選挙に出馬し、大差で敗北。「有言不実行」に愛想を尽かされ、4年の任期を待たずに罷免が決まった。8日付聯合報などが報じた。
韓市長(前)は、就任500日余りでその座を追われることとなった(6日=中央社)
中央選挙委員会(中選会)によると、賛成票は93万9,090票と、反対票の2万5,051票、および有権者数の4分の1に当たる57万4,996票を上回り、リコール成立条件を満たした。18年11月の高雄市長選挙の得票数89万2,545票、今年1月の総統選挙の高雄市での得票数61万896票のいずれも上回った。韓市長は支持者に投票に行かないよう呼び掛けており、投票率は42.14%にとどまった。
韓市長は同日夜の記者会見で、支持者と高雄市政府、および住民投票に参加しなかった130万人の有権者に感謝すると述べた。リコールは民進党政権の陰謀で、メディアやインターネットを通じて絶え間ない誹謗(ひぼう)中傷を浴びせられたと批判し、これまで推進してきた数多くの政策を成し遂げられずに遺憾だと語った。
リコール運動の代表者、陳冠栄氏は、18年(の高雄市長選)以来、世代間が分裂しており、高雄市民は協力して修復していこうと訴えた。独立派政党、台湾基進の張博洋・新聞部副主任は、親中派の韓市長のリコール成立は、高雄市民が中国共産党や習近平主席に対してノーを突き付けたに等しいと語った。
賛成派の市民は、イメージカラーの黄色い旗やリボンを振り、リコール成立を喜んだ(6日=中央社)
蔡英文総統はフェイスブック(FB)で、市民はわれわれに権力を付与するだけでなく、取り戻すこともできると記し、今回の結果は台湾の民主が一歩前進した一方、政治家に対する警笛だと指摘した。
9月12日までに補欠選挙か
中選会は12日までにリコール結果を審査、公告を行い、行政院は市長代理を指名する。公告後15日以内に、韓市長はリコール無効を求める訴えを起こすことができる。訴訟手続きが12月25日を過ぎても続いていれば、韓市長の任期4年の半分に当たる2年を超えるため、補欠選挙は実施せず、市長代理が任期満了まで務める。
韓市長がリコール無効の訴えを起こさなかった場合は、公告後3カ月以内に補欠選挙を実施する。民進党からは18年11月の高雄市長選挙で韓氏に敗れた、陳其邁行政院副院長の呼び声が高い。国民党からは、江啓臣主席が出馬する可能性もあるようだ。
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