ニュース 社会 作成日:2020年6月10日_記事番号:T00090456
台湾の公営企業などの入社試験を別の人物に受験させ、合格報酬を得ていた詐欺グループがこのほど摘発され、主犯や替え玉を務めた人物など6人が起訴された。替え玉受験といえば受験生本人と替え玉の顔写真を貼り替えることが多いが、新手の手法が発覚した。
事件を担当した捜査関係者によると、詐欺グループは従来、受験生の身分証や運転免許証の顔写真を替え玉となる人物のものに貼り替えて受験に臨むといった手口を採用していた。しかし、これでは試験監督に発覚する可能性が高いと考え、受験の際、身分証や運転免許証に代替可能な全民健康保険(健保)カードを使った手法を編み出した。
その手法とは、健保カードを破損・紛失した場合、衛生福利部中央健康保険署(衛福部健保署)の機関に出向かなくても、手数料200台湾元(約720円)を払えば各地の郵便局や戸政事務所、郷鎮市区公所(役場)などにおいて再発行の申請が可能で、しかもわずか5営業日で新しいカードを入手できるという仕組みを悪用したものだ。
さらに詐欺グループは受験生本人と替え玉の顔写真を合成し、2人に似た架空の人物の写真を作成。その写真で受験生の新しい健保カードを申請し、このカードを持たせて入社試験受験を申し込んだ。入社試験の受付担当者は通常、それほど写真を細かくチェックしないため、すんなりと受験資格が得られ、試験当日、替え玉は健保カードを手に試験会場へと向かったという。
詐欺グループは替え玉受験により5,000万元を超える利益を手にしたとされる。受験企業別で報酬が最も高かったのは中国鋼鉄(CSC)の130万元で、以下▽台湾中油(CPC)、100万元▽中華電信、95万元▽台湾電力(台電、TPC)・台湾自来水(台水)、90万元▽台湾煙酒(TTL)、80万元▽台湾糖業(台糖)、75万元──と続き、公営企業が並んだ。生涯安定した収入が約束されるなら、この程度の出費は割に合うということか。
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