ニュース 電子 作成日:2020年6月16日_記事番号:T00090532
スマートフォン向け光学レンズ大手、玉晶光電(ジニアス・エレクトロニック・オプティカル、GSEO)の陳天慶董事長は15日、ミドル~ハイエンドレンズの供給逼迫(ひっぱく)が続いているほか、下半期の新機種向けの認証は順調で、量は昨年を上回ると明らかにした。アップル初の第5世代移動通信(5G)対応iPhone向け受注が好調なことの表れとみられている。新型コロナウイルスの影響でハイエンドスマホの販売が懸念される中、同社は下半期の受注は健全と、慎重ながらも楽観視している。16日付経済日報などが報じた。
ジニアスは15日の株主総会で、1~5月の1,000万画素以上の製品の出荷構成比は6割を超えたのに対し、1,000万画素以下は2割未満だったと指摘。ミドル~ハイエンドレンズへの注力が、粗利益率を押し上げていると説明した(15日=中央社)
ジニアスはアップル向けの売上高構成比が高く、4月発売の廉価版スマホiPhoneSE(第2世代)向けの好調が続く中、1~5月売上高は46億5,800万台湾元(約170億円)で前年同期比98.39%増だった。9月以降に発売されるとみられる初の5G対応iPhone向けでも好調が見込めそうだ。陳董事長は、個別の顧客からの受注状況については明かさなかった。
一方、同業最大手の大立光電(ラーガン・プレシジョン)は10日、一部顧客が発注を大幅削減したとして、第3四半期を慎重視する見方を示した。市場は、ラーガンは顧客を分散しているため、米中貿易戦争の影響で、中国の華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)やOPPO広東移動通信など、アップル以外の顧客の巻き添えを受けていると分析した。
21年に工場1基新設も
ジニアスの郭英理総経理は同日、来年さらに工場1基を新設する余地があると述べた。場所は中国福建省アモイとみられている。陳董事長は、(製品に搭載する)レンズ枚数が多くなれば多くなるほど、需要も増加するが、新旧顧客の需要への(生産能力の)準備は既にできていると説明した。
同社はアップル向けの需要増加にすぐさま対応できるよう、アモイで工場3基を賃借し、生産拡大を進めている。第1工場は既に全面稼働している。第2工場は稼働率が5割以上に達しており、6月末に全面稼働に、第3工場は8月に全面稼働に入る見通しだ。生産能力15~22%の増加を見込んでおり、主に4~7枚構成プラスチックレンズ(4~7P)製品を生産する。
同社の今年第1四半期の設備投資額は前年同期の6.6倍の10億元。ラーガンの13億6,000万元との差が縮まり、両社の生産拡大競争が激化している。対するラーガンの第3工場が全面稼働するのは2023年になる見通しだ。
陳董事長は、レンズ搭載製品がますます多様化していることから、光学レンズ産業の先行きは明るいと指摘した。来年にかけてのスマホのレンズ規格について郭総経理は、飛行時間(ToF)カメラ向け、光を用いたリモートセンシング技術「LiDAR」向け、6P、7Pの需要が高く、ToFは地形や物体の測定、拡張現実(AR)向けなどでの顧客の採用が見込めると指摘した。
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