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初の台湾製5Gスマホ、HTCが8月発売(トップニュース)


ニュース 電子 作成日:2020年6月17日_記事番号:T00090555

初の台湾製5Gスマホ、HTCが8月発売(トップニュース)

 宏達国際電子(HTC)は16日、台湾メーカーとして初の第5世代移動通信(5G)対応スマートフォン「HTC U20 5G」を発表した。7月1日に予約受け付け開始、8月に出荷予定だ。価格は台湾市場の5Gスマホとして最安の1万8,990台湾元(約6万9,000円)に抑え、「メード・イン・台湾」をアピールした。一方、中国ブランドの5Gスマホは「中国台湾」表示問題もあり、台湾での認証を取得した新製品はなく、6月末にも始まる5G商用サービス向け商戦は▽HTC▽ソニー▽サムスン電子▽LGエレクトロニクス──の4社の戦いとなりそうだ。17日付経済日報などが報じた。

/date/2020/06/17/01htc_2.jpg「HTC U20 5G」(右)。同時発表した1万元以下の4G対応ミドルエンドスマホ、HTC Desire 20 pro(左)は18日に発売する(16日=中央社)

 HTCの陳柏諭台湾区総経理は、「HTC U20 5G」は初の台湾製5Gスマホで、同社桃園工場で製造すると説明した。イブ・メートル執行長は、現在5Gスマホは高額だが、より多くの台湾の消費者に5Gを体験してもらいたいと思い、台湾から出発することに決めたと説明した。続いて欧州で発売し、順次世界展開する考えだ。

 同機種は、6.8インチディスプレイ、カメラ5個(フロントカメラを含む)を搭載し、4K録画に対応する。5Gは、単独のスタンドアロン(SA)と、4Gと組み合わせるノンスタンドアロン(NSA)の双方に対応する。

 一方、プロセッサーにはミドルエンドのクアルコムのスナップドラゴン765Gを採用することで、価格を2万元未満と、他社の5G旗艦機種の6割以下に抑えた。クアルコムのスナップドラゴン865を採用する▽ソニーのエクスペリア1マークツー▽サムスンのギャラクシーS20シリーズ▽LGエレクトロニクスのV60 ThinQ 5Gデュアルスクリーン──の価格は軒並み3万元以上だ。

 HTCは、過去3年間旗艦機種を発売しておらず、発売機種も年間約3種類に抑えており、一時はスマホ事業からの撤退がうわさされた。同社スマホの最大市場である台湾でも販売台数シェアは上位10位に入らない。手頃な価格の5Gスマホ投入で、巻き返しを狙う。

 同機種は、国家通訊伝播委員会(NCC)による型式認証の段階にあり、発売は8月を予定している。

中国5G機種、間に合わず?

 一方、中国ブランドのスマホ製品について、NCCは取扱説明書、システムソフトウエアやファームウエアに「中国台湾」との表示が含まれていれば型式認証を発行しない方針だ。未発売の5Gスマホ製品のうち、中国ブランドの製品で型式認証を取得したものはなく、台湾での5G商戦には間に合わない可能性がある。

 通信キャリア台湾最大手の中華電信は、早ければ29日か30日にも5G商用サービス開始関連のイベントを開催するようだ。遠伝電信(ファーイーストーン・テレコミュニケーションズ)は、7月の5Gサービス開始を予定する。台湾大哥大(台湾モバイル)は5Gシステムの技術審査を通過しており、17日にもNCCから営業免許を取得する見通しだ。

 台湾での5G普及見通しについて陳台湾区総経理は、年内はそれほど早くないとみられ、一定期間は4Gと併存するものの、3Gから4Gへの移行よりは早いとの見通しを示した。

/date/2020/06/17/01htc-cover_2.jpg陳台湾区総経理(左)とメートル執行長(右)(16日=中央社)