ニュース その他製造 作成日:2020年6月20日_記事番号:T00090631
自転車製造世界最大手、巨大機械工業(ジャイアント・マニュファクチャリング)の杜綉珍董事長は19日、受注は満杯で、来年上半期まで見通しが立っており、日夜生産を急いでいると明かした。新型コロナウイルス対応で、欧米の政府が自転車購入に補助金を支給し、公共交通機関から自転車に移動手段がシフトしており、米国では自転車が「マスク同様、飛ぶように売れている」と説明した。20日付工商時報などが報じた。
杜董事長(右)は、新型コロナウイルス感染拡大が深刻な時期は、サプライチェーン(供給網)の断絶や資金繰りに直面し、目標を下方修正したが、人員は削減しなかったと強調した(19日=中央社)
杜董事長は同日の株主総会終了後、「ウィズコロナ時代」について語り、各国のロックダウン(都市封鎖)措置解除が進む中、同社の販売代理店では在庫水準が警戒ラインを下回るほど自転車販売が好調だと話した。新型コロナウイルスがもたらしたニューノーマル(新常態)で、全世界で自転車の購入意欲が急増していると指摘した。
同社の5月売上高は70億8,000万台湾元(約255億円)と、前月比40.8%増、前年同月比31.7%増で、過去最高を更新した。ロンドン、パリ、韓国、日本などでの販売額は5割以上増えた。販売店の在庫水準は韓国で3日、中国が6日、日本が18日など、適正水準の60日分を大幅に下回っている。同社は、2交代制で残業も行い生産を急いでいるが、年内は通常水準に戻らないと予測した。
特に販売好調なのが、中・低価格帯の自転車だ。欧州向け中・低価格帯の自転車や、電動アシスト自転車を生産するハンガリー新工場は6月から試験生産、7月に量産に入る。2021年の生産能力は30万台、将来的には100万台まで拡大する計画だ。同社は18年7月にハンガリー新工場の設置を発表しており、くしくも自転車需要の波に乗った。
部品不足がネック
劉湧昌執行長は、重症急性呼吸器症候群(SARS)流行時の経験から、新型コロナウイルス感染症の流行収束後に自転車需要が爆発的に拡大すると見越し、同業他社より早く4月の段階で、変速機などの重要部品を年末分まで一括調達したと説明した。最近は部品大手メーカーの供給不足が業界の懸念事項となっており、変速機世界最大手シマノの納期が6カ月と、従来の2カ月から大幅に延びていると話した。
杜董事長は、仮に部品の供給不足がなければ、同社の今年の売上高は前年を10%以上上回り、過去最高を更新したと述べた。
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