ニュース 社会 作成日:2020年6月20日_記事番号:T00090644
国立中興大学(台中市)の研究チームがこのほど、ニトベシロアリの兵アリが大顎で外敵を追い払う動作の速さを測定したところ、秒速132メートル、時速にして475キロメートルを記録した。台湾高速鉄路(高鉄)を上回る時速だ。これまでに分かっている動物界のあらゆる動きのうちで世界最速を更新した。今回の研究結果は学術誌、サイエンティフィック・リポーツに掲載された。
中興大の昆虫学系と物理学系が結成した今回の研究チームは、100年にもわたって生物学界の謎だったニトベシロアリの秘密を解き明かした(19日=中央社)
ニトベシロアリは沖縄県の石垣島以南に生息するシロアリの一種。大顎は左右非対称で、背中側から見て左側の大顎が長く、大きく湾曲している。外部からの脅威を感じ取るとこの大顎をはじき、追い払おうとする動作を見せる。大顎の特殊な形態がこの動作を可能にしていると推測されてきたが、余りのスピードの速さに肉眼では観察することができず、これまで実証されていなかった。
中興大の研究チームは当初、1秒間に1,000枚の写真が撮影可能なハイスピードカメラでその動きを捉えようとしたものの、このカメラでも速さに付いていけなかった。そこでボールペンの先に使用する直径0.7ミリメートルの小さな金属球をニトベシロアリの兵アリに何度もはじかせ、力学の原理を活用して速度を計算する方法を考案。その結果、最速であることは間違いないとの結論に至った。
しかし、その証拠を映像に捉えることができないでいたところ、撮影機メーカーの新広鈦国際実業(ユートピア・インスツルメンツ)が1秒間に100万枚の写真が撮影可能な700万台湾元(約2,500万円)相当のウルトラハイスピードカメラの無償貸し出しを申し入れ、ついにニトベシロアリの大顎の動作を明確に記録することに成功した。
今回の研究に加わった学生の関貫之さんによると、ニトベシロアリは「指パッチン」の要領で、右側の大顎で左側の長く湾曲した大顎を抑え、はじいていたことが明らかとなった。
ちなみにこれまでの最速は、2018年に計測されたオーストラリアなどに生息するドラキュラアリの顎の秒速111メートルだった。
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722