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台北ドーム、22年完成にめど(トップニュース)


ニュース 建設 作成日:2020年6月23日_記事番号:T00090675

台北ドーム、22年完成にめど(トップニュース)

 5年余りにわたり建設工事が中断していた台北文化体育園区(台北市信義区)のドーム型スタジアム、台北大巨蛋(台北ドーム)は22日、工事再開に向けた最後の手続きとなる建設許可の変更が台北市建築管理工程処に認められた。施工業者の遠雄企業団(ファーグローリー・グループ)は8月にも工事を再開する見通しで、2022年上半期完成のめどが立った。新型コロナウイルスの状況次第ながら、国際スポーツ大会など大型イベントの招致も可能になる。23日付経済日報などが報じた。

/date/2020/06/23/00ko_2.jpg柯市長。22年12月までの任期中に完成する見通しだ(中央社)

 台北ドームは12年4月に着工した。柯文哲台北市長率いる市政府は15年5月、遠雄企業団が認可された図面通りに施工していないなどとして、工事停止を命じていた。火災など非常時の観客の避難計画が不十分など安全面での指摘もあった。工程の約8割が完成していた。

 これまで工事の全面再開に向け、防火避難性能設計計画書の認可や都市設計審議、環境影響評価(環境アセスメント)のやり直しなどが進められた。台北市政府の周台竹報道官は22日、建築管理工程処が台北ドームの建築許可の変更を承認したことを認めた。

 遠雄企業団の楊舜欽広報担当は、実際の工事再開までには、市政府への工事再開申請や作業員や機材の確保なども必要で、準備に少なくとも2カ月かかると説明した。

工事停止、損失100億元超

 台北文化体育園区のBOT(建設、運営、譲渡)開発計画は、台北ドームを中心にホテルやオフィス、商業施設、映画館などを建設するもので、台北市政府が06年に遠雄企業団と契約した。契約期間は50年、総投資額は350億台湾元(約1,270億円)。台北市中心部でここ10年で最大規模の開発計画の一つだ。

 工事停止期間中、台風シーズンに現場の安全措置など一部の工事は継続が認められたが、野ざらしになった鉄骨にさびが生じるといった問題も生じていた。空白の5年間に市民にメリットはなかった上、川下の建設メーカーなどの損失は100億元以上に上るとの声も上がっている。